「彗星の結晶質シリケイト問題」から探る惑星系ダストの進化と循環
Project/Area Number |
20K04053
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
|
Research Institution | Tohoku University (2021-2022) National Astronomical Observatory of Japan (2020) |
Principal Investigator |
藤原 英明 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 特任准教授 (70581445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾中 敬 明星大学, 理工学部, 教授 (30143358)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 惑星形成・進化 / 地球宇宙物質 / 光学赤外線天文学 |
Outline of Research at the Start |
低温環境である原始太陽系円盤外側で生まれたはずの彗星の中に、円盤内側における高温生成物質である結晶質シリケイトダストがなぜ存在するのか?という、いわゆる「彗星の結晶質シリケイト問題」について、地上大型望遠鏡や宇宙望遠鏡を用いた太陽系外ダスト円盤の観測から追求する。特に赤外線観測によって、惑星の主要材料物質であるシリケイトの鉱物学的特性、さらには惑星系内における物質循環などを明らかにすることを目指す。その上で、「ダストから微惑星へ、微惑星から(原始)惑星へ」という惑星形成の根幹となる素過程をダストの観測的観点から議論し、太陽系内外の両環境におけるそれらの普遍性と多様性の解明に迫る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来は太陽系内での議論にとどまっていた「彗星の結晶質シリケイト問題」の検証を太陽系「外」惑星系にも展開するため、地上大型望遠鏡や宇宙望遠鏡を用いて太陽系外ダスト円盤の高解像度赤外線観測を実行するものである。地上望遠鏡を用いた観測では、広がった太陽系外ダスト円盤の選定やその性質の吟味を、宇宙望遠鏡を用いた観測では、太陽系外ダスト円盤の空間分解分光観測を狙うことを計画している。
本年度は、本研究課題における最有望なターゲットである原始惑星系円盤について、前年度までに解析した高解像度中間赤外線撮像データに基づき、過去の画像と比較することで、原始惑星系円盤のダストが発する放射の時間変動などの調査に着手した。またこの手法を太陽系内の惑星が持つリングにも適用し、時間変動からリング内の粒子の光学特性を推定する方法の洗練化を進めた。
宇宙望遠鏡を用いた観測については、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の今後の公募観測に向けて、観測戦術の見直しやターゲットの追加可能性の検討を行なった。全天カタログデータに基づいて抽出した赤外線超過を示す天体の中から、顕著なシリケイト放射が見られる1天体同定し、前年度までに改修したプログラムを適用することで、中間赤外線分光観測データに対するモデルフィットにより、星周ダストの組成や温度等を推定した。これにより将来の観測のターゲット候補とする可能性について検討を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の公募観測に提出した観測提案が採択に至らず、宇宙望遠鏡を用いて太陽系外ダスト円盤の空間分解分光観測を実施する計画が当初の計画通りになっていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
宇宙望遠鏡を用いた太陽系外ダスト円盤の空間分解分光観測について、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の今後の公募観測で観測時間を獲得するために、観測戦術やターゲットの見直しを引き続き進める。すばる望遠鏡で取得されたデータについては、太陽系外ダスト円盤天体におけるダストの空間的広がりやその時間変化、ダスト組成など、これまでの解析で得られた情報をもとに引き続き議論を進める。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)