Understaing the boundary between predictable signal and noise toward improvement of seasonal prediction
Project/Area Number |
20K04074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
土井 威志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(アプリケーションラボ), 主任研究員 (80638768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 日本の月平均気温偏差の1ヶ月予測精度 / シグナルとノイズの比 / アンサンブル位相空間での共変動解析 / 東アフリカの短い雨季の季節予測 / 季節予測 / 多アンサンブル / アンサンブル間相関解析 / シグナルノイズ比 / アンサンブル間の共変動 / インド洋ダイポールモード現象 / 暖冬 / 多数アンサンブル予測 / 季節予測可能なシグナル成分 / 予測不可能なノイズ成分 / 準予測シグナル |
Outline of Research at the Start |
中緯度域の季節予測研究の問題は、季節予測が可能なシグナル成分に対して、大気の内部変動に起因するノイズ成分の比率が大きく、予測シグナルとノイズの境界領域の制御プロセスの理解が不十分であることだと考えている。例えば、予測アンサンブルメンバー間のバラツキはノイズとして処理されてきた。しかし、それは、単にランダムにバラついているのではなく、物理的構造を持ち、且つ海表面水温の状況に依存するような成分(準予測シグナルと呼称する)が隠れていないだろうか?それらを発見し、制御プロセスを理解し、新しい知見をシミュレーションシステムに反映させることで、中緯度の季節予測の精度を向上させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本付近で領域平均した月平均気温偏差の予測精度の季節性を、1ヶ月先(例えば11月初旬から12月を予測する場合)の精度に注目し、「SINTEX-F」の最新版による1983-2020年の過去再予測結果(108アンサンブルメンバー平均)とNCEP/NCAR再解析データとの相関係数で評価した。線形トレンドは除去した。その結果、Persistent予測(予測開始時期の状況が持続すると仮定した予測。その精度は自己ラグ相関係数に相当)の精度を上回るのは、9月の予測のみであった。再解析データを基準として、9月の気温偏差が0.5度Cより高い年を選んで合成解析を実施したところ、エルニーニョ・南方振動の影響が大きいことを見出した。興味深いことに、12月の予測に注目し、シグナルとノイズの比(SN比: ここでは、アンサンブル平均値をシグナル、アンサンブルスプレッドをノイズとして、その比で定義した)の経年変動に注目し、SN比が平年より高い年の15年のみを対象に相関係数スキルを計算すると0.67で、それ以外の23年間で計算したスキル-0.15と比べてはるかに高精度であり(差は99%の信頼限界で有意)、Persistent予測の精度を上回ることがわかった。さらに、アンサンブル位相空間での共変動解析を実施することで、12月の日本の気温予測の鍵になるのが、インド洋熱帯域西部の高温偏差や、熱帯太平洋のエルニーニョモドキ的な構造であることを示した。 東アフリカでは、10-12月に短い雨季があるが、2021年は極端な干ばつにより深刻な被害を受けた。SINTEX-F季節予測システムによるシミュレーションの結果、2021年の干ばつを引き起こしたのは負のインド洋ダイポールモード現象であることを示した。さらに統計関係を利用することで、その予測が6月時点でも可能であることを見出した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
準リアルタイムの季節予測情報として、アンサンブル平均値だけでなく、SN比やアンサンブル位相空間での共変動解析結果も併せて提供することで、各々の予測の精度や予測の潜在的根拠についてより踏み込んだ情報を提供できる可能性があることが示唆できた。また、それらの情報は、ユーザー側が季節予測結果をさらに深く理解し、その適切な利活用を促進するための一助になると考える。その内容は国際査読誌に出版した。さらに、それを準リアルタイムに提供する準備を整えた。 東アフリカの、10-12月の短い雨季に対して、SINTEX-F季節予測システムによるミュレーションと東アフリカの降水量変動を推計する統計モデルを組み合わせることで、同年6月の時点で干ばつ予測が可能であることがわかった。この新しいハイブリッド予測システムによる早期予測は、甚大な被害を緩和する準備期間を用意できることになり、極めて効果的である。その内容は国際査読誌に出版した。2022年も2021年と同様に、東アフリカは深刻な旱魃と食料危機にみまわれたこともあり、大きな反響があった(例えば、NatureのResearch Hightlightでも取り上げられた)。今後は東アフリカの雨季の予測情報をリアルタイムに提供するようWebサイトを改修した。 アンサンブル位相空間での共変動解析を活用して、予測可能性の潜在的なソースや起こりうるテレコネクションなどを、日本の気温や東アフリカの降水に関して見出した成果を創出し、かつその情報をリアルタイムに提供することを達成した。概ね研究が順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
「SINTEX-F」の最新版による1983-2020年の過去再予測結果(108アンサンブルメンバー平均)のアウトプットに対して、アンサンブル位相空間での共変動解析を活用して、予測可能性の潜在的なソースや起こりうるテレコネクションなどを探索した成果を創出できた。今後は、アンサンブル位相空間での共変動解析によって示唆された予測可能性の潜在的なソースや起こりうるテレコネクションなどについて、数値実験をデザインして、実際にどのように予測シミュレーションに反映されるかを検証し、アンサンブル位相空間での共変動解析の有効性を議論していきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)