Hydrogen Storage Materials by the Nanoconfinement effects
Project/Area Number |
20K04186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
納冨 充雄 明治大学, 理工学部, 専任教授 (70218288)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 水素貯蔵材料 / Mg-Fe / Graphite / Grahene / Mg系合金 / Nanoconfinement / Mg系積層薄膜 |
Outline of Research at the Start |
水素を固体に固定化する手法は,化学吸着,物理吸着,Kubas結合,Nanoconfinementの4種類が知られている。これまで,Mgに水素を化学吸着する方法に対して遷移金属の積層や合金化により水素吸蔵量と水素放出温度の改善を試み,一定の成果を得たが十分ではなかった。そこで本研究では水素貯蔵時に水素化物が不安定化するようにNanoconfinement効果を応用した水素貯蔵材料を開発する。さらに,Nanoconfiementのメカニズムを検討するためにナノオーダーの膜厚のMg/遷移金属/高分子積層薄膜を開発し,水素透過度を測定することによってNanoconfinement現象を追求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
平成4年度は,昨年度のメカニカルアロイング(MA)によって製造されたMg-Fe系を発展させて,Mg-Feにグラフェン系炭素材料を化合することを検討した.Zhangらは,MgH2に5 wt.%のグラフェン(Gr)を添加することで,水素放出温度を383.9 ℃まで低減すると報告している.このGrと類似の分子構造を有する材料として,Grの単層あるいは数層に相当するグラフェン(GN)がある.Zhangらの別の研究では,MgH2に対して10 wt.%のGNを添加することで,単体でミリングされたMgH2と比較して,水素放出温度が100 ℃低減すると報告している.また,ShriniwasanらはGNによる水素放出温度の低減効果はC原子とMg原子との間における電子移動によるものであると報告している.しかし,GNの機械的及び電気的特性はその結晶性に大きく依存する一方で,GNは作製時に官能基やその他構造欠陥が導入されやすい.また,GNと比較して空乏欠陥や酸素含有官能基が多く存在する還元型酸化グラフェン(rGO)は,作製方法が単純かつ大量生産が可能であることから,近年rGOを添加した水素貯蔵材料の研究が報告されている.そこで,Gr,GN,rGOをMg-FeにMAすることにした.まず,構造欠陥のないGNを作製し,その後,Mg,Fe,グラフェン系炭素材料をボールミルで混合した水素貯蔵材料を作製し,グラフェン系炭素材料がMg-Feの水素貯蔵特性に及ぼす影響を評価する. これまでBottom-up的アプローチとしてMg薄膜を作製してきたが,その基板にはすべてポリイミド樹脂を使用してきた.ポリイミド樹脂は高分子材用の中では耐熱性が高く,水素透過係数も高いため最適な基板であったが,積層膜の性能向上のためには再検討が必要と考えた.そこで,各種高分子材料の水素透過係数を測定し比較した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の供試材であるGr,GN,rGOの中でGNは欠陥の少ない構造を有する必要があるため独自に作製した.Gr粉末,炭酸カリウム粉末,2-プロパノール(IPA)を用いて,塩添加ミリング液相剥離(SM-LPE)法により作製した.SM-LPE法によるGN作製では主に超音波洗浄機及び卓上遠心機を用いてGrのGN層を剥離及び分散させた.複合体試料の作製にはMg粉末,Fe粉末,前述のGr粉末及びGN粉末,rGO粉末を用いた.ボールミルには遊星回転ポットミル装置およびZrO2製ボールを用い,ボールと試料粉末の重量比は20:1とした.ミリング時間は,Mg-Feでは25時間,Mg-Fe-Gr及びMg-Fe-GN,Mg-Fe-rGOでは初めにMg,Feのみで20時間,その後各グラフェン系炭素材料を添加してさらに5時間ミリングした.これらの供試材に対して,x線回折,ラマン分光分析,電子顕微鏡観察,PCT測定を行った.その結果,SM-LPE法により作製したGNはラマン分光法による結晶構造解析より,rGOと比較して構造欠陥が少ないと判断した.次に,280℃,最大水素圧力0.99 MPaの条件下において,すべての複合体試料(Mg-Fe,Mg-Fe-Gr,Mg-Fe-GN,Mg-Fe-rGO)においてMgH2が生成され,水素を吸蔵した.各複合体試料の最大水素吸蔵量はそれぞれ3.45 wt. %,3.94 wt.%,4.02 wt.%,4.04 wt.%となった.さらに,PCT線測定により算出した水素放出速度はMg-Feが最も大きく,グラフェン系炭素材料を添加した複合体試料では減少した.また,0.15 MPaの窒素雰囲気下における水素放出温度は商用MgH2と比較して,約100 ℃低減した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成4年度の研究成果の一つにMg-Feにグラフェン系炭素材料をメカニカルアロイングで化合して水素貯蔵材料を製造する場合,グラフェン系炭素材料がミリング助剤としての役割を果たすことが確認されたことがある.これまでMg-FeのMAでは容器内部に凝着するという問題点があり,ミリング助剤としてのステアリン酸の混合が必須であり,ステアリン酸は水素貯蔵に対しては効果がないため,化合後に焼結するなどの後処理を必要とした.一方,グラフェン系炭素材料はミリング助剤としての役割だけでなく,水素分子の水素原子への解離に有効な物質として除去の必要がない点でその優位性が確立されている.なかでもGNは他のグラフェン系炭素材料よりも水素貯蔵効果において若干優位であったが,製造過程が煩雑という問題点が残った.そこで,GNより入手が容易で,かつGNとほぼ同じ効果が確認できたrGOについて,即ちMg-Fe-rGOについてより実用化に向けて詳細に水素貯蔵特性を測定する. 一方,基板材料として,高分子材料であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリイミド(PI),ポリカーボネート(PC),ポリプロピレン(PP),セロハン(PT)にガス透過度測定装置を用いて水素透過試験を行い,材料や結晶性による水素透過性能への影響について調べた.さらに,耐熱性の高いPEEKとPIには,膜厚や温度が水素透過性能へ及ぼす影響について調べたが結局PIが本目的に最適であった.そこで,更なるPIの水素透過特性を改善するために,パルスレーザーデポジション(PLD)法を用いて遷移金属薄層を形成し,遷移金属蒸着PI膜を作製し,水素透過係数を測定し他の複合薄膜と比較する.
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)