包摂水和物への低温プラズマ照射によるゲスト分子反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K04328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
向笠 忍 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (20284391)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ハイドレート / 誘電体バリア放電 / 化学反応場 / 分子動力学シミュレーション / 水酸基置換 / 二量体 / トルエン / テトラヒドロフラン / 化学反応 / シクロヘキサン / 定量分析 / 低温プラズマ / ダブルハイドレート / 二量化 / 包摂水和物 |
Outline of Research at the Start |
化学反応を起こすとき,反応物は通常,固体または液体,気体のいずれかです.これらと異なる状態としてハイドレートがあります.ハイドレートは,水分子が規則的な籠を形成し,籠の中に別の分子(ゲスト分子)が入った状態のものです.ゲスト分子は気体に比べて高密度となり液体に比べて規則正しく配置されます.このような特殊な場でどのような化学反応が起きるかを調査する研究です.ただし,ハイドレートは熱に弱く加熱することができません.そこで,近年材料科学や農学,医学などで注目されている低温プラズマという温度を上げずに反応を起こすことができる手法を用います.
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Outline of Annual Research Achievements |
ハイドレートを従来の液体や気体とは異なる化学反応場として捉え,ハイドレートに誘電体バリア放電(DBD)を照射したときハイドレート内のゲスト分子がどのような化学変化をするか調査した.DBDは熱への変換が少なく分子を活性化させることができ,オゾン生成法や,現在は医療・バイオ分野への利用で注目されている.本研究で使用したゲスト分子は主にテトラヒドロフラン(THF)とトルエンである.DBD照射による生成物の比較として生成したハイドレートを融解した融解液を用いた.その結果,ハイドレートと融解液とで生成物に違いはみられなかったが生成割合に差がみられた.例えば,THFハイドレートにDBDを照射した場合,融解液に比べて3-hydroxy-tetrahydrofuranや二量体(bifuran)の生成割合が低下することが明らかとなった. 生成割合に差が生じるのはケージ内のゲスト分子の配向性が理由と考え,ゲスト分子の配向性を明らかにするために分子力学法による数値シミュレーションを行った.ゲスト分子としてTHFとトルエン以外に,シクロペンタン(CP)やシクロヘキサン(CH),ベンゼンを使用した.その結果,例えば五員環で構成されるTHFとCPはケージ内を比較的自由に熱運動するが,THFは酸素原子がケージ面とクーロン相互作用を受けて熱運動に制限が生じることがわかった.また,六員環の持つCHやベンゼンはラジアル水素の数とケージ面の数が一致し,各間でのクーロン相互作用により熱運動が大きく制限されることがわかった. トルエンについて,実験ではハイドレートを生成したが,構造Ⅱ型のハイドレートで数値シミュレーションを行ったところケージの変形が大きく安定しないことが示唆された.このため構造H型,または不規則な構造のハイドレートが形成したのではないかと考えられるが,現状は不明であり,今後の研究課題である.
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)