特異姿勢を用いたロボットのダイナミック動作における力学と制御
Project/Area Number |
20K04350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浦久保 孝光 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (10335424)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 動力学解析 / 最適運動計画 / 機械力学 / ロボティクス / 動力学 / 運動学 / 非線形力学 |
Outline of Research at the Start |
ロボットの肘関節や膝関節が伸び切った状態は特異姿勢と呼ばれる。重量物の運搬や跳躍などのダイナミックな作業をロボットが行う場合、特異姿勢を用いることが作業達成に必要なエネルギやトルクを低減するために有効である。本研究では、理論解析、数値シミュレーション、実機実験を通して、ロボットの特異姿勢の持つ力学的な性質を明らかにする。また、実環境において特異姿勢を用いて作業達成するための制御系設計を行い、実機実験によって実用性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度までの結果にもとづき、2リンクロボットアームの場合に対して、押し動作、引っ張り動作のどちらにも影響の大きい動的可操作性について詳細に解析を行った。動的可操作性楕円体について、手先に重量物を把持しているという条件の下で、その長軸、短軸の長さおよび方向を与える固有値、固有ベクトルを適切な近似を導入することで、解析的に表現した。これにより、リンクの長さや姿勢に応じた動的可操作性の変化が明らかとなった。 さらに、重量物を水平面内で一定距離移動させるタスクを考え、2つのリンクの長さの比を変えた最適運動計画を行った。これにより、リンクの長さがより異なる場合の方が、作業遂行に必要な消費トルクが減少するとともに、アームを折りたたんだ特異姿勢の有用性が大きくなることを発見した。この最適運動計画の結果は、動的可操作性の解析結果とも対応しており、生物を含むリンク機構系において共通する特異姿勢付近の動力学的性質であると考えられる。 また、冗長自由度を有する4リンクロボットの押し動作については、2021年度に足先を壁に叩き付け、その際の衝撃力によって跳躍することによって大きな運動量が得られることが分かったが、その実証に向けて実験機の改修を行った。 2リンクアームの最適運動計画および動的可操作性の解析結果については国内会議発表1件を行い、国際会議1件に投稿した。また、4リンクロボットの実験改修については国内会議発表1件を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、2リンクロボットアームに対して、リンクの長さの比がダイナミック動作の効率的達成に大きく影響を与えることを、最適運動計画および動的可操作性の近似解析によって明らかにすることができた。リンク長さの比による影響は、当初計画では予期されていないことであったが、詳細な数値計算と解析を進めた結果、明らかになったものである。とくに、リンク長さが異なることによって、折りたたまれた特異姿勢付近の動的可操作性が高まることを解析によって明らかにした。実験および制御系設計の進捗は遅れているものの、特異姿勢付近の動力学的性質の理解につながる新たな結果が得られたことから、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、オンライン会議を活用して研究協力者との連絡を頻繁に行い、研究を推進する。2022年度に得られた解析結果を整理することが、特異姿勢の動力学的性質の理解および解明につながるため、論文執筆等によって結果をまとめる。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)