Project/Area Number |
20K04606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
楢原 浩一 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (00422171)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 非線形発振器 / 相互同期 / 散逸ソリトン / トポロジカル欠陥 / 自発的対称性の破れ / 分岐解析 / 注入同期 / 位相雑音 / 非線形パルス相互作用 / 進行波型トランジスタ / トンネルダイオード / 発振器結合系 / 同期現象 / 進行波型FET / 発振器 |
Outline of Research at the Start |
電界効果トランジスタの動作速度はサイズを縮減することによって増大トレンドを維持してきた。近年ではマルチゲート構造をとるなどにより短チャネル効果効果を抑止しムーアの法則の成立が依然として確保されている。これより先にはサイズ縮減のみに立脚した高速化はいよいよ厳しく回路・システムの側面でのブレークスルーが求められてくる。本研究は信号生成に特化した応用に対して進行波型トランジスタの特性を生かし、この一翼を担うものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
当期における実績の第一はトンネルダイオード(TD)発振器リング内の回転進行波パルスの相互作用に関する。ループ内の回転進行波パルス位置は相互作用によってわずかに振動し、多相発振器として機能させる場合,出力スペクトルにおいてパルスの回転に対応するピークの周囲にスプリアスを与える。支配方程式に縮約理論を適用し、パルス位置振動周波数と極性の定量化に成功した。関連して振動に関わるスプリアスピーク除去スキームを考案し実証した。 第二は2つのTD発振器ループの結合系に関する。それぞれに誘起される進行波パルスは相互同期によって一定の位相差で回転を開始する。同相ならびに逆相回転パルスの同期特性を分岐解析によって定量化した。同相回転パルスは結合強度によらず許容されるが、逆相回転パルスは弱結合時ほど顕在化する。さらに、逆相パルスは対称性の破れによってバイアス電圧によって位相差が連続的に変化する解に至る。これらについて、テスト回路により実証した。 第三はTD発振器リングにおけるトポロジカル欠陥の力学的挙動に関する。分岐解析によりシンク・ソース対を許さないバイアス電圧が存在することを明らかにし、このような電圧では、回転パルスの転位の形状を持つトポロジカル欠陥が生成されることを示した。このトポロジカル欠陥は、回転パルスと反対方向に移動する。さらに前者は後者とサブハーモニック同期する。その実証に成功した。 これら帰結のTWFETによる実装の可能性を議論した。閉じたTWFETに回転進行波パルスを誘起し、パルス間相互作用の定量化を分岐解析により実施した。TD発振器ループとは異なり振動は生じないため、発振器応用に対しては素性がよい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当期はTWFETを簡素化したモデルと考えられるトンネルダイオード(TD)発振器結合系をもとにして進行波パルス・ダイナミクスの明確化に努めた。TD発振器リング内の回転進行波パルス相互作用を定量化しパルス間振動に起因するスペクトル・スプリアス除去スキームを考案・実証した。また、2つのTD発振器ループの結合系に誘起される進行波パルスの相互同期の定量化をすすめ、同位相、逆位相同期に加え、逆位相同期の対称性破れに起因する同期機構を明らかにした。さらに、TD発振器リングに回転パルス転位の形状を持つトポロジカル欠陥が生成されることを示した。固有ダイナミクスについては、閉じたTWFETの分岐解析を実施し実証にむけた足場固めに成功した。こうした進捗は当初計画の曖昧な側面を具体化するものでありおおむね順調な進展をみている。研究意義の第一をサブハーモニック注入同期の新規メカニズム構築に、第二を空間拡張型発振器同期機構のロッキング・レンジ拡張への適用に据え、残りの研究期間を最大限有効に活用する所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
来期における推進方針は効果的なサブハーモニック注入同期機構の議論とTWFET上のパルス相互作用実証ならびに2次元系ターゲットの明確化としたい。サブハーモニック注入同期系の第一はトンネルダイオード(TD)発振器リングの多相発振器としての設計性向上に関する。当期において回転パルス間振動に起因するスプリアスを除去することに成功した。単一リング上に複数の回転パルスを誘起し、その内の一つと外部発振器との同期機構を明らかにする。実現されるサブハーモニック注入同期のロッキング・レンジ、次数の設計性を確立する。第二は2つのTD発振器ループの結合系応用に関する。当期に実施した同一サイズループ結合系を拡張し異サイズループ系を検討する。同位相同期時にはサイズ比に比例した数の回転パルスがそれぞれに誘起される可能性が示唆される。これを実証するとともに、サブハーモニック注入同期を実現するプラットフォームとしての設計論を確立する。第一方策とした系との得失は現況では明らかでない。両者を検討し推進する状況と考える。第三はTD発振器リングにおけるトポロジカル欠陥を用いたサブハーモニック注入同期系の設計論に関する。当期において回転パルスとトポロジカル欠陥は相互同期する一方、回転周波数は著しく異なる。トポロジカル欠陥と外部発振器が同期すれば、背景の回転パルスを出力とすることで高次サブハーモニック注入同期が実現される。TD発振器結合系で明らかになったパルス・ダイナミクスがTWFETにおいて成立するかの検討を継続する。また、閉じたTWFET上のパルス・ダイナミクスについて当期での検討を中心に実証する。振動エッジの2次元TWFETにおける振る舞いを精査し発振器としての得失を明らかにする。
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