東日本大震災における震災遺構整備への市民参加が整備後の維持管理に与える影響の検討
Project/Area Number |
20K04846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古谷 勝則 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (10238694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西坂 涼 琉球大学, 国際地域創造学部, 講師 (50868198)
矢澤 優理子 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任助教 (60957364)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 震災遺構 / 震災伝承 / 地理情報システム / GIS / 東日本大震災 / 伝承施設 / インターネットアンケート / 遺構 / 伝承 / 市民参加 / 維持管理 |
Outline of Research at the Start |
東日本大震災の惨禍や教訓を伝える震災遺構が沿岸の市町村に同時多発的に整備されている。これら震災遺構は修学旅行生や外国人の来訪も多く、防災に対する知識や意識を向上させるとともに、災害に強い社会の形成と地域の活性化に貢献する。本研究では震災遺構の成立の全体像を、震災遺構そのものの整備と市民が共有するイメージ(情報)の両面から総合的に取りまとめ、市民参加や合意形成の在り方に着目しながら、今後の維持管理や活用に向けて考察する。まず、震災遺構の成立の経緯を明らかにした後に、震災遺構を活用した伝承活動と維持管理の現状を把握する。市民が震災遺構に対して持つ意識をアンケートなどから明らかにし、考察を加える。
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Outline of Annual Research Achievements |
2011年に発生した東日本大震災は、甚大な津波被害を伴い、被災の痕跡を留めた構造物・建築物である「震災遺構」が多数発生した。本研究は震災遺構を、震災の教訓を伝え、防災教育や復興観光に活用されるとともに、災害に強い社会の形成と地域の活性化に貢献するものであると捉えた。大きな被害が発生した岩手県・宮城県・福島県を対象に震災遺構の成立の経緯を調査し、整備状況と市民によるイメージの両面から分析して、整備・活用への市民参加や伝承活動等への活用状況、整備や維持管理の状況、地域活性化への貢献等を考察する。 過年度調査により、岩手県・宮城県・福島県の震災遺構の保存・撤去の箇所や時期、整備状況、活用状況に関して、報道資料等を活用した文献調査等を行い、リストを作成してデータを分析した。この結果を、震災を伝える市民らの活動の担い手に着目してとりまとめ、論文を執筆し、学術雑誌に掲載された。あわせて過年度に国際会議で発表した対象3県における震災遺構および伝承施設への交通手段別アクセシビリティの地理空間分析と、伝承施設からの回遊可能性について成果を取りまとめ、震災遺構の利用者の回遊による地域活性化への貢献の可能性を考察した論文を執筆し、査読付き国際誌に掲載された。 令和4年度は研究分担者が遠方の研究機関に着任し、また令和3年度に引き続き新型コロナウイルスの影響が長引いたことで、調査計画の見直しが必要となった。新型コロナウイルスの影響により、研究対象となる震災遺構を活用した学習やツーリズムなどが制限され、分担研究者の出張の出張計画の見直しが必要となった。これらより現地調査を次年度以降に見送った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度も過年度に引き続き新型コロナウイルスの影響が長引き、対象地において復興ツーリズムや、防災学習等、研究対象となる震災遺構を活用した活動が制限された。新型コロナウイルスの拡大という社会的課題が、市民の震災遺構への意識に影響する可能性が非常に高く、検討の末、市民意識調査の実施を過年度に引き続き延期した。これに加えて、研究分担者が、関東地方にある研究代表者の研究室から沖縄地方へ着任し、研究対象地となる東北地方への現地調査に困難が生じた。過年度に整備したデータ共有システム、オンライン会議ツール等を活用して、研究、論文執筆を進めることができたが、東北地方への出張を予定していた分担研究者が国内でも集中的に感染拡大が発生した地域に転居、着任し、複数回にわたり濃厚接触者に指定される等の新型コロナウイルスの影響を受けたことで、現地調査や訪問によるインタビュー調査を中止、自粛せざるを得ず、研究の進捗に影響を受けた。これらより特に現地調査を中心とした調査実施、データの取りまとめおよび分析、論文執筆の工程においてやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に計画していた対象地への訪問および市民や関係者へのインタビューによる意識調査等、現地調査の実施を次年度に見送ることとした。新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き残ることを想定し、データ共有システム、オンライン会議ツール等を活用した研究分担者との打ち合わせ体制を維持、活用する。現地訪問を伴うインタビュー調査では、感染拡大防止について社会情勢と対象者、協力者の意向に十分に配慮する。事前のアンケートやオンライン会議ツールを組み合わせたハイブリッド方式の調査を検討することで、現地訪問の人数を少人数化するなど、感染対策に配慮しながら研究を推進する。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)