Project/Area Number |
20K04879
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐々木 宏幸 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10512501)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | タクティカル・アーバニズム / 飯田市 / プログレッシブ・アーバニズム / 裏界線 / 中心市街地活性化 / 空き家・空き店舗の活用 / まちづくり / イベント / 中心市街地活性課 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、長期的視点に立ち明確化された都市の将来像実現に向け、段階的かつ発展的に遂行するアーバニズムの実践手法を「プログレッシブ・アーバニズム」(以下PU)と定義し、長野県飯田市中心市街地における実践活動、及び実践と連係する学術研究を通して遂行する。 実践においては地域固有の空間資源である細街路「裏界線」に焦点を当て、沿道のコミュニティ拠点ネットワークの構築を長期ビジョンに定め、産学官民連携、都市間連携を通して推進する。 その上で学術研究、実践結果に基づく手法の検証と理論化を合わせて行い、地方都市の中心市街地再生手法としてのPUの有効性と課題に関する知見を得ることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、長期的ビジョンに基づく恒久的改善へと段階的かつ連鎖的に発展する漸進的アーバニズムの実践手法を「プログレッシブ・アーバニズム」(以下、PU)と定義し、長野県飯田市中心市街地「丘の上」における市街地活性化や拠点ネットワークの形成などの実践活動、および実践と連係する学術研究を、産学官民連携・都市間連携を通して遂行し、PU手法の理論化や地方都市の中心市街地再生におけるPUの有効性や課題の検証を行うことを目的としている。 令和2年度から4年度においては、実践・研究活動に必要な基盤形成、飯田市橋北地区における空き家・空き店舗の活用に繋がるイベントの実施、米国ポートランド市における食品移動販売の実地調査と研究論文執筆、橋北地区の歴史的建造物である旧飯田測候所と空き家活用に関する打合せを市や民間事業者と重ねた。 令和5年度は、旧飯田測候所の指定管理者制度による活用案を市と地域に提示し、当該提案を基に市と地域住民の調整が進行中である。また、空き家活用の先進事例とすべく、橋北地区の空き家の片付けを地元建築家と共同で地域に公開しながら実施し、片付けの際に発見した歴史的写真の鑑定を歴史研究所に市と共に依頼しアーカイブした。さらに、地域の害獣問題解決のための鹿革製品のデザイン、販売を行った。前年度執筆した論文は建築学会に投稿し採択された。 令和6年度は、片付けた空き家の整備と活用を中心に行っていく予定である。まず、地元の建築家、大工、まちづくり関係者と連携し、一時的に活用可能な状態まで空き家を整備する。その上で、見つかった写真や鹿革製品、竹の椅子などの展示会を開催し、空き家活用の可能性を地域に発信してゆくと同時に、空き家の恒久的活用を行う事業者を募ってゆく。恒久的には当該空き家は、サテライトオフィスや大学関係者の活動・宿泊スペースとして整備してゆく予定であり、そのための整備計画案も作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症蔓延による飯田市での活動制限や米国での現地調査実施の中止を余儀なくされ、研究の遂行に当たって少なからぬ影響を受け、遅れが生じた。 令和4年度にはこれらの問題もほぼ解決され、飯田市における活動は一部の制限を除き再開することができた。また、令和3年度に延期を余儀なくされた米国のフードトラックの実態に関する現地調査も9月に実施することができ、令和5年度に採択された。 一方、プログレッシブ・アーバニズムの実践としての活用を計画していた旧飯田測候所の活用に関しては、飯田市と地域住民に対して提案は完了したものの、市と地域住民間の調整に想定以上の時間がかかり、実施待ちの状況が長く続いている。 また、空き家の活用に関しては、片付けはおおむね完了したが、想定以上に傷みが激しく、専門業者に処理依頼が必要な廃液の存在なども確認され、一時的利用に向けた整備に想定以上の時間がかかっている。 しかし、プロジェクト全体としては、想定よりもやや遅れながらも、進捗はしていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、これまで蓄積してきた実践のための準備や学術的研究の成果を基に、飯田市橋北地区の春草通り北端に位置する空き家の一部改修と活用を集中的に推進し、PUの有効性を確認する年と考えている。 また、市と地域間の調整が遅れている春草通り南端の旧飯田測候所に関しては、空間資源の活用の可能性を地域住民に対して可視化する一時的イベントなどを地元のまちづくり関係者とも連携しながら実施し、地域住民の活用に対する理解と期待の情勢に取り組む予定である。 また、前年度同様、飯田市周辺市町村を含む南信州地域での活動も継続的に推進してゆく 予定である。 これらの飯田市における実践活動、及び、周辺地域も巻き込んだ活動を通して、「プログレッシブ・アーバニズム」に関する実践と研究を推進してゆきたいと考えている。
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