日本植民地下台湾における金瓜石鉱山の開発と事業圏域の拡大
Project/Area Number |
20K04905
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
波多野 想 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 教授 (60609056)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 金瓜石鉱山 / 蘇芳 / 愛媛 / 植民地鉱山 / 地域構造 / 蘇澳 / 植林 / 石灰石採取 / 植民地 / 台湾 / 事業圏域 / 文化的景観 / 鉱山空間 |
Outline of Research at the Start |
戦前の日本による植民地経営の特徴を具体的に示す場として、台湾の鉱山開発がある。本研究は、植民地期台湾において最大の金山であった金瓜石鉱山を対象に、その経営を支える、材木供給のための植林と石灰石採取を進めた台湾東部の蘇澳など付随する事業地、および同じ企業が経営した愛媛県の鉱山を対象に、施設配置や土地所有・利用の実態と、事業展開が地域構造に与えた影響を明らかにすることを目的とするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、戦前の日本による植民地経営の特徴を具体的に示す場として、台湾の鉱山があると考えている。その代表的な鉱山が台湾北東部にある金瓜石鉱山や瑞芳鉱山であり、研究代表者は同地の歴史や景観を復元する研究を進めてきた。ところが、同地において鉱山開発を進めた日本企業は、主体となる鉱山を強力に稼働するために、その他の複数の鉱山や、燃料などの原材料を獲得する事業地を台湾本島内のみならず日本本土にも所有した。換言すれば、当時の植民地における鉱山開発は、閉鎖的な鉱山域をこえて、広域的なネットワークを形成しながら、各地の土地利用や空間構造に影響を与えた可能性が指摘できる。そこで本研究の目的は、特に金瓜石鉱山の経営を支えた付随事業地の実態を明らかにし、それらと金瓜石鉱山本体との関係、主にネットワーク形成の様態について追究することにある。 これまで、すくなくとも2021年度までは、新型コロナ感染症の拡大状況にともない、研究代表者の勤務地である沖縄から県外さらに台湾に赴き現地調査を実施することは、難しい状況にあった(台湾については、渡航そのものが不可能だった)。しかし2022年度に至り、新型コロナ感染症対策を十分に行うことで、まず国内調査が実施可能となり、ついで年度後半になって台湾に渡航することが可能となった。そこで、2022年度は、以下の3件の現地調査を実施した。 (1)研究実施計画に記載した2022年度調査の主である愛媛県における現地調査を実施した。 (2)本来2021年度に実施すべきであった台湾内の付随事業地(蘇芳等)の現地調査を実施した。 (3)本来2021年度に台湾で実施する予定であった資料(日本統治期の地籍図)の収集に向けた手続きを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に記載した通り、新型コロナ感染症の拡大状況にあり、2022年度後半まで、台湾への渡航が不可能であった。そのため、台湾調査に係る作業は台湾内に居住する研究協力者の協力のもと進めてきた。しかし現地調査に関しては研究代表者が実行する必要があるため、2022年度前半はその準備にあて、後半に至り現地調査を敢行した。ところがやはり一定程度の行動制限があったため、想定通りに調査を実施することは叶わなかった。実施ができなかった調査に関しては2023年度に実施予定だが、その点も含め、「やや遅れている」と言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症に対する各地域の対策が現状と変わることがなければ、2023年度前半に、予定していたすべての現地調査を終え、収集した研究データに基づく具体的な分析と考察、さらに論文作成を年度後半に行うとともに、金瓜石鉱山においてその成果を発表するアウトリーチ活動を行う(シンポジウムにおいて基調講演を行うことがすでに決定している)。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)