Project/Area Number |
20K05138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
土屋 文 名城大学, 理工学部, 教授 (90302215)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | リチウム酸化物 / リチウムイオン電池 / リチウムイオン移動機構 / 大気型反跳粒子検出法 / リチウム蓄積量 / 液体電解質 / 水素 / 正極/電解質界面 / その場測定 / リチウムイオン二次電池 / 電極-液体電解質界面 / リチウム移動機構 / 大気雰囲気型反跳粒子検出法 / リチウム蓄積量評価 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、大気雰囲気型反跳粒子検出法を用いて、リチウムイオン二次電池内の電極-液体電解質界面近傍のリチウム濃度をその場で測定し、充放電時の電極および電解質内のリチウム蓄積量を評価することである。この研究目的を達成するために、① マグネトロンスパッタリング装置を用いたリチウムイオン二次電池の作製および大気雰囲気における反跳粒子検出法によるリチウム濃度測定用試料ホルダーの作製(令和2年度)、② 電極-電解質界面のリチウムイオン移動量の測定(令和2~4年度)、③ 充放電時における過渡的なリチウム蓄積量の評価(令和4年度)を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大気雰囲気において液体中のリチウム濃度を約10 nmの深さ分解能で高感度に測定できる反跳粒子検出(ERD)法を用いて、リチウム(Li+)イオン電池の充放電時における電極-液体電解質界面のLi+イオン移動量をその場で測定し、Li+イオン移動機構を解明するとともに、充放電時の電極および電解質内の過渡的なLi蓄積量を定量的に評価する手法を確立することを目的とした。 マグネトロンスパッタリング蒸着装置を用いて、厚さ約100 nmのLiCoO2薄膜を寸法25.4 mm×25.4 mm×150 μmのLATPの片側に正極として蒸着した後、厚さ約10 nmのAuおよびPtをLiCoO2およびLATP側に集電体として蒸着してAu/LiCoO2/LATP/Pt試料を作製した。この試料に高速(150 mV/s)および低速(9.62 mV/s)で±2.8 Vまで印加しながらAu/LiCoO2/LATP界面近傍におけるLi濃度分布を9 MeVのO4+イオンビームを用いたERD法により測定した。 得られたERDスペクトルより、LiCoO2正極中のLi濃度は充電によって72%(Li0.28CoO2)減少した後、高速放電では48%(Li0.48CoO2)、低速放電では95%(Li0.95CoO2)まで増加することがわかった。これは、高速放電ではLiが正極中に戻るが再び固体電解質側へ移動していると考えられる。また、Au/LiCoO2界面付近のLi濃度は低速放電によって未充電のLi濃度より高くなり、放電速度に依存することも判明された。また、Au/LiCoO2界面付近のLi濃度は低速放電によって未充電のLi濃度より高くなり、放電速度に依存することも判明された。しかしながら、LiCoO2中のH濃度は充放電により変化しないことがわかった。LiCoO2中に蓄積されたHはLi+イオン移動を妨げていることが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大学院生および技術職員の協力を得て、これまで、既存の装置を改良したイオンビーム分析(反跳粒子検出(ERD)法)装置を用いて、異なる電圧で充放電されたLi+イオン電池内のLiCoO2正極材料中のLiおよびH濃度を同時に測定することを可能にした。 また、購入した温度および湿度調整装置を用いて、大気雰囲気で加熱温度および湿度を変化させながらLi+イオン電池内のLiCoO2正極中のLiおよびH濃度を調べられるようにした。
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Strategy for Future Research Activity |
購入した温度および湿度調整装置を用いて、大気雰囲気で加熱温度および湿度を変化させながらLiCoO2正極からLi(あるいはC)負極へ、また、Li(あるいはC)負極からLiCoO2正極への電位勾配によりLiPF6液体電解質内を駆動されて流されるLi+イオンの流量をその場で測定するとともに、電気化学測定装置を用いて計測する電流値と比較し、放電時のLi+イオン移動量と電気特性との関連性を調べる。
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