Project/Area Number |
20K05142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
松嶋 茂憲 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (80229476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 賢次 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (70370046)
大川原 徹 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (50632650)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 黄色無機顔料 / Bi系複合酸化物 / 錯体重合法 / バナジウム / 共添加 / 第一原理計算 / パイロクロア型構造 / 環境調和型セラミックス / 黄色系無機顔料 / Bi2Zr2O7 微粒子 / 第一原理バンド計算 / Vドープ / Bi2Ti2O7 微粒子 / 環境調和型セラミック顔料 / 黄色系顔料 |
Outline of Research at the Start |
人体や自然環境に対する悪影響のため、セラミック顔料における有害金属の使用が制限されているが、鮮やかな発色を示す環境調和型セラミック顔料の開発は立ち遅れている。 本研究では、黄色発色性に優れた環境調和型セラミック顔料微粒子の創製を目的とし、有機酸多核錯体の低温熱分解により、パイロクロア型構造を持つBi系複合酸化物微粒子としてBi2M2O7(M=Ti,Zr,Ce)の合成に取り組む。 具体的には、以下の項目について検討する。 ①有機酸多核錯体法によるBi系複合酸化物微粒子の低温合成, ②異種元素添加によるBi系複合酸化物粒子の形状特性の制御と発色性能の向上, ③第一原理計算による実験結果の理論的検証
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、主にBi2Ce2O7(BCO)粒子の調製とキャラクタリゼーション,異種元素をドープしたBCOに関する第一原理計算を実施した。錯体重合法でから得た前駆体を空気中500~700 ℃で焼成し、不純物相を含まないBCO相が生成することを粉末X線回折(XRD)測定により確認した。800 ℃焼成では、BCO相以外の小さな回折ピークが確認されBi2O3相に帰属されると推測された。5 mol% および10 mol% V-doped BCOでは、800 ℃で焼成しても不純物相のピーク強度がほとんど観察されなくなった。5 mol% V-doped BCOにCaやLaを共添加したところ、Ca添加では不純物相生成が促進され、Laでは抑制が維持された。引き続き、UV-vis吸光度測定を実施した。以前に実施したBi2Ti2O7(BTO)やBi2Zr2O7(BZO)では、不純物を含まない高純度のBTOやBZOを得ることが容易ではなく、バンドギャップを見積ることができなかった。これに対して、BCOでは高純度試料が得られ、空気中500~800 ℃で焼成されたBCOのバンドギャップが約2.4~2.5 eVであった。5 mol% および10 mol% V-doped BCOでは約2.5~2.6 eVであり、CaやLaを共添加した5 mol% V-doped BCOでは約2.5~2.6 eVであった。V単独ドープの場合と比較して、共添加では可視光領域において吸光度が増加することがわかった。そこで、カラーリーダーを用いてL*a*b*表色系における色度座標を調べた。黄色度はb*の値で評価される。異種元素をドープしていないBCOでは、500, 600, 700, 800 ℃で焼成後のb*値はそれぞれ43.4, 40.2, 42.8, 41.0であった。 5 mol% V-doped BCOのb*値は、それぞれ48.2, 45.0, 44.0, 42.9であった。さらに、Laを共添加した5 mol% V-doped BCOでは、それぞれ50.0, 48.9, 40.3, 41.4であり、600 ℃以下の焼成において最も高いb*値が得られた。第一原理計算では、BCOの構造最適化を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
錯体重合法により、高純度のBCO粒子が生成することがわかった。BCOの黄色性における異種元素の効果を調べるため、Vを添加したBCOやCaやLaとVの共添加をしたBCOを調製した。異種元素を添加していないBCOと比較して、500および600 ℃で焼成したV-doped BCOやLaを共添加した5 mol% V-doped BCOでは、黄色度が向上することが見出された。しかしながら、異種元素の添加によってBCOの黄色度が向上するメカニズムについてはまだ不明な点が多く、やや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、異種元素をドープするとBi2Ce2O7 (BCO)の黄色度が向上する理由を明らかにするため、異種元素を添加したBCOスーパーセルを構築して第一原理バンド計算や第一原理分子動力学計算に取り組む。物性測定では、異種元素の存在状態について原子レベルでの知見を得るため、透過型電子顕微鏡観察,X線光電子分光(XPS)測定およびラマン分光測定を実施する。さらに、試料の微細構造と発色特性の相関性について詳細な調査を行う。第一原理計算によって蓄積された知見と原子レベルでの実験結果を比較検討し、BCOの黄色発色性の向上における異種元素の役割を明確にし、試料合成にフィードバックする。
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