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VHH抗体の欠点を克服するヘテロ2量体化「挟み込み」抗体の研究

Research Project

Project/Area Number 20K05235
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
Research InstitutionThe University of Tokushima (2021)
University of the Ryukyus (2020)

Principal Investigator

村上 明一  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (00733635)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2021)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
KeywordsVHH / 2量体化VHH / 結合様式 / 低分子抗原 / 特異性 / 親和性 / 抗体 / ファージディスプレイ法 / Dual-VHH抗体 / VHH抗体
Outline of Research at the Start

ラクダ科動物特有のH鎖抗体は、その先端の1つのドメインで抗原と結合することができる。この先端のドメインであるVHH抗体は「抗体の最小単位」と言われ、高い安定性と可溶性を持ち、バクテリアでの安価大量生産が可能であるなど多くの利点がある。しかし、VHH抗体には欠点がある。その一つが「低分子抗原に対する親和性と特異性の低さ」である。そこで、低分子抗原に対しても十分な結合力と特異性を有するヘテロ2量体化VHH抗体(Dual-VHH抗体)の研究・開発を行う。Dual-VHH抗体は、異なる2つのVHH抗体で低分子抗原を「挟み込む」形で結合することにより低分子抗原に対しても十分な親和性と特異性を獲得する。

Outline of Annual Research Achievements

単ドメインで抗原と結合できるVHH抗体には欠点がある。その一つが「低分子抗原に対する親和性と特異性の低さ」であり、VHH抗体の「安定性の高さ、生産性の良さ」などの利点を温存し、かつ、低分子抗原に対しても十分な親和性と特異性を有するヘテロ2量体化VHH抗体(Dual-VHH抗体)の研究を進めている。Dual-VHH抗体は、異なる2つのVHH抗体で低分子抗原を「挟み込む」形で結合することにより低分子抗原に対しても十分な親和性と特異性を獲得すると考えた。既に20憶の多様性からなるDual-VHH抗体提示ファージライブラリーを構築し、低分子モデル抗原として使用したFluorescein-4-isothiocyanate(FITC)に結合するクローンの取得を試み、成功した。このクローンの詳細な解析により、2つのVHH抗体の協調により「挟み込み」型で結合していることが示唆されている。VHH抗体の分子量は約12.5kDaであり大腸菌を用いた大量生産が可能であるが、本研究により、2量体化することでその生産量が激減する、もしくは、精製度が低くなることが判明した。そこで、新たにピキア酵母の生産系を導入し、発現ベクターの構築から発現・精製の最適化を進めた。その結果、Dual-VHH抗体が問題なく高純度で生産できることが確認された(≧10mg/L)。現在、取得済みの抗FITC-Dual-VHH抗体の結合様式を構造結晶解析により確認することを目的とし、高純度の抗体タンパク質を十分量調整し、抗原であるFITCとの共結晶化を進めている。また、このDual-VHH抗体の実用化を目指し、低分子抗原と位置付けている脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)や甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)、トリヨードサイロニン(T3)に対する抗体スクリーニングを開始した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究が遅れている最大の理由は、本研究当初に所属していた琉球大学大学院医学研究科から2021年7月1日に徳島大学大学院医歯薬学研究部に移動したことにより、研究環境が大きく変化したことによる。さらに新型コロナウイルス感染症に係る規制により、新規な研究体制の構築に想定上の時間を要したが、現状ではサンプル、消耗品、備品等の移管も完了し、本研究を遂行できる十分な体制が構築できた。
実際の研究内容に関しては遅れているものの、概ね実験計画に基づき進めることができている。また、大学を移動したことで人脈が増え、構造結晶解析の専門家との新たな繋がりを得ることができたことから、本研究がさらに発展していくと考えている。

Strategy for Future Research Activity

新たにピキア酵母の抗体発現系を導入したことで、純度の高い抗体を容易に調整することができる様になったことから、当初の計画に基づいて研究を推進する。すなわち、Dual-VHH抗体が、本来の単ドメインVHH抗体が有する熱安定性やタンパク質変性剤に対する耐性等の利点を保持しているかの検討を進める。さらに、X線結晶構造解析で直接的に観察することにより、Dual-VHH抗体が低分子抗原に結合する際の、新規な結合様式が明らかにする。また、このDual-VHH抗体の実用化を目指し、低分子抗原と位置付けている脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)、トリヨードサイロニン(T3)、さらに、より低分子である(4-hydroxy-3-nitrophenyl)acetyl (NP)をモデルハプテン抗原として使用して特異的に結合性を有するDual-VHH抗体の取得を開始しており、得られた抗体について、特異性や親和性の解析に加え、結合様式の解明を進める。

Report

(2 results)
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report

URL: 

Published: 2020-04-28   Modified: 2022-12-28  

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