Formation mechanism and application of phononic band gaps due to Fano effects
Project/Area Number |
20K05341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29030:Applied condensed matter physics-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水野 誠司 北海道大学, 工学研究院, 講師 (90222322)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | フォノニックバンドギャップ / ファノ共鳴 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、周期構造によるブラッグ反射に起因しない「非ブラッグギャップ」が生じる系として、固体層と液体層を周期的に配列して得られる固体・液体超格子を取り上げ、ギャップ形成メカニズムを明らかにする。この系を伝播するフォノン(弾性波)にみられる局所共鳴に注目し、透過スペクトルおよび分散関係(特にブロッホ波数の虚部の周波数依存性)の計算を行い、このギャップがファノ共鳴による反共鳴効果から生じることを理論的に明確に示すことを試みる。また、この非ブラッグギャップの特性を利用して、ブラッグギャップでは実現できない音響低周波禁制透過を実現するデバイスやセンサーへの応用を目指す
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに行った数値計算により、この系に生じるギャップは、周期性に基づくブラッグギャップと局所共鳴に基づくギャップに分類できることが明らかになった。局所共鳴に基づくギャップでは、周期数が1の場合にも透過率が0となって完全反射がおきる共鳴が生じる。共鳴周波数に応じて、透過スペクトルの形状は様々な形状をとるが、いずれもファノ式と呼ばれる共鳴式でよく記述される。この場合のプロファイルの非対称性を定量的に表すファノ因子は、物質パラメータの関数としてexplicitな表式が導出できている。この表式を周期的な固体液体超格子に援用するために、固体液体超格子を一様な固体媒質に対応させ、一種のメタマテリアルと見なすアプローチを行った。その際、固体液体超格子の特性は、有効密度や有効音響インピーダンス等の「有効物質パラメータ」で記述される。これらの有効パラメータの導出方法として、本研究では、先行研究で提案された方法のいくつかの問題点を解決する新しい方法の検討を行った。 まず、固体固体超格子に対して定義される転送行列と、一様な媒質(メタマテリアル)に対して定義される転送行列の対角要素を対応させることによって、有効波数を導出した。有効波数は、周波数の多価関数として複素数で表される。この波数を、低周波の極限から高周波に向けて連続的につながるように、いわば拡張ゾーン形式で一価関数として表した。その結果を用いて、有効速度(あるいは有効屈折率)の表式を導出した。さらに転送行列の非対角要素の対応から、有効音響インピーダンスの表式を導出できることを示した。有効音響インピーダンスと有効速度の表式から、有効質量密度の表式も導出できる。ここで開発した有効パラメータの導出方法の有用性を検証するために、GaAsとAlAsからなる固体固体超格子に適用し、結果の再現性の確認、有効パラメータそのもののもつ意味の検討などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周期超格子を一様な均質媒質として記述する有効パラメータを計算するための新しい方法を考え、その有用性を確認できたため。有効パラメータは周波数の多価関数として求められ、正負の値を持つ複素数として表される。その符号とブランチを選択する手順を確立した。それにより、局所共鳴が生じる系において有効パラメータが負になる周波数領域を明確に求めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度導出した結果は、固体固体超格子中を、界面に垂直な方向に伝播するフォノに対する結果であった。固体液体超格子おけるファノ共鳴に基づく周波数ギャップは、入射角度が有限な場合に生じるので、有効物質パラメータを入射角と周波数の関数として計算することから始める。特に、負の密度、負の音響インピーダンスといった特徴的な値が得られる周波数帯および伝播角度領域を見つける。このようなメタマテリアル的な考え方に基づいて局所共鳴ギャップの形成メカニズムを解明する。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)