光ファイバ伝送における光学非線形波形歪みのディジタル信号処理による補償
Project/Area Number |
20K05367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中村 守里也 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40359071)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 機械学習 / 非線形イコライザ / 非線形波形歪み補償 / 光学非線形 / 光ファイバ通信 / 非線形補償 / ディジタル信号処理 |
Outline of Research at the Start |
光ファイバ伝送における光学非線形現象による信号の歪みをディジタル信号処理によって補償する新しい手法について研究を行う。具体的には、現在進展が著しい機械学習のアルゴリズムを応用すると共に、位相共役ツイン波やパイロットキャリア等、これまで検討されてきた光学的補償方式を組み合わせながら、非線形歪みの最適な補償方法を探る。従来のディジタル信号処理による非線形補償では、計算量が膨大になり現実的なシステムで使用できないという問題があった。研究代表者らは、機械学習のアルゴリズムを応用することで計算量が大幅に削減できる可能性を世界に先駆けて明らかにしており、その有効性について研究を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず、第一の研究テーマである「機械学習アルゴリズムによる非線形イコライザの高性能化と最適化」において研究の前進があった。非線形イコライザに用いる機械学習の方式として、これまで検討を続けてきた多層型のニューラルネットワークを用いたものだけでなく、近年注目を集めているリザーバコンピューティングを用いた新しい方式について、特性を調べている。今年度は特に、光ファイバの光学非線形補償に用いる場合のパラメータ設定方法・最適化方法について研究が進展し、優れた特性を引き出せるようになった。また、その状態において過学習の特性の研究が進展した。多層型ニューラルネットワークを用いる場合に比べ、過学習は小さいが、条件により特性が劣化することがあることを明らかにした。また、特性の改善方法として、リザーバコンピューティングの入力に遅延タップを用いる方法を提案し、その優れた特性を明らかにした。 第二の研究テーマである「機械学習アルゴリズムによる非線形イコライザの多機能化」についても研究が大きく進展した。リザーバコンピューティングを用いた非線形イコライザを用い、非線形補償を行うと同時に偏波多重光信号の偏波分離・追尾が行えることをあきらかにした。これは、リザーバコンピューティングの高速学習特性を生かせるアプリケーションであり、多層型ニューラルネットワークを用いた場合に計算量の点で難点がある部分を克服することが可能となる優れた方式である。 第三の研究テーマである「光学的手法とディジタル信号処理を組み合わせた新方式」については、従来から検討を進めていた位相共役Twin-SSB方式について、ディジタル信号処理部分を機械学習に置き換える新しい方式について進展があり、一部、2024年度に国際会議で報告する。 これらの研究テーマについて研究を加速させており、2024年度中にさらに多くの成果を出せる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた3つの方向((1)機械学習アルゴリズムによる非線形イコライザの高性能化と最適化、(2)機械学習アルゴリズムによる非線形イコライザの多機能化、(3)光学的手法とディジタル信号処理を組み合わせた新方式の研究)の中で、特に(1)と(2)のテーマにおいて顕著の進捗があった。(1)についてはリザーバコンピューティングを用いた非線形イコライザのパラメータ最適化方法について研究が進んだ他、過学習の特性についての調査が進んだ。また、リザーバコンピューティングの入力に遅延タップを用いる方式の提案を行い、その優れた特性を明らかにした。(2)については、リザーバコンピューティングを用いて非線形補償と偏波追尾を同時に行う方法の検討が進んだ。 (3)については、位相共役Twin-SSB方式のディジタル信号処理部分を機械学習に置き換えることでTwin-SSB復調と非線形補償を同時に行う方法について進展した。この点については、2024年度に国際会議において報告予定である。 全体としておおむね順調に研究は進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究の方向性で順調に成果が出ているため、このまま更に研究を加速させながら進めていく予定である。特に、研究手法の比重をシミュレーションから実験へと移しており、実験的に得られた波形の光学非線形歪みを実際に提案するディジタル信号処理で補償を行いながら研究を進めている。非線形イコライザによる偏波追尾についても、実験的検討検討が進んでいる。
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Report
(4 results)
Research Products
(58 results)