Project/Area Number |
20K05381
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 康則 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (60332706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三澤 毅 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70219616)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 福島第一原子力発電所 / 燃料デブリ回収 / 再臨界阻止 / 炉雑音解析法 / 複雑体系 / 臨界安全 / 不規則体系 / 燃料デブリ |
Outline of Research at the Start |
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所では燃料デブリの回収作業が計画されている。同作業では回収に伴い形状や水との混合状態が変化し再臨界に達する可能性が排除しきれないため、これを事前に阻止すべくその兆候を検知する技術の開発が行われている。しかしデブリ体系はこれまで原子炉物理学が想定してきた規則的に炉心構成要素が配列する体系と大きく異なり、組成および中性子源分布が不規則で広範囲に広がっている。このような体系で臨界近接の兆候を検知する新しい手法を炉雑音解析法に基づいて開発する。本研究では京都大学臨界実験装置(KUCA)を用いて、本手法の有効性と問題点およびその改善方法を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
東京電力福島第一原子力発電所において、近い将来に実施される燃料デブリ回収作業によって炉心が再臨界に達する事態を阻止すべく、臨界近接の兆候を検知する技術の開発が求められている。しかしデブリ体系は、構成要素が規則的に配列する、これまで原子炉物理学が想定してきたような体系と大きく異なっている。本研究は、組成および外部中性子源分布が複雑で広範囲に広がったような体系において、臨界近接の兆候を検知するための新しい手法を炉雑音解析法に基づいて提案するものである。 本研究以前は、複雑で広範囲に広がる体系に対する炉雑音解析法の適用についても、体系の組成および外部中性子源分布が幾何学的に対称となることを無理に仮定してきた。一方、本研究では、令和2年度において、非対称性を考慮した二領域結合体系における理論的枠組みを構築し、炉雑音解析法が与える未臨界度の推定値と真値との相違を考察した。 さらに令和3年度は、デブリの回収等、体系に摂動が加えられた直後から、炉雑音解析法により得られる未臨界度の推定値がどのような時間的変化を示し、最終的に真値が得られるまでにどの程度の遅れ時間が必要となるかを評価するとともに、次年度の実証実験において実施予定の中性子束分布測定で使用するカドミウムチューブ等を整備した。 しかし令和4年度は、予定していた京都大学臨界実験装置を用いた実証実験は実施できず、情報収集のための学会参加に止まった。現在、同装置では平成28年の核セキュリティ・サミットにおける日米共同声明に基づく燃料低濃縮化プロジェクトが進行中であるが、それに係る許認可審査が当初の予定(令和3年度完了)を大きく超えて長引いてしまい、運転停止状態が継続することとなったためである。従って、同装置を用いず、天然ウランを用いた代替実験体系を用いる実証実験に切り替えることとし、本補助事業の実施期間を1年間延長する手続きを取った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、京都大学臨界実験装置では、平成28年に米国で開催された核セキュリティ・サミットにおいて発出された日米共同声明に基づく燃料低濃縮化プロジェクトが進行中であるが、それに係る原子力規制委員会及び原子力規制庁による許認可審査が当初の予定(令和3年度完了)を大きく超えて長引いてしまい、運転停止状態が継続してしまっている。そのため、令和4年度において同装置において実施する予定であった実証実験が実施できなかったため遅延が生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現状において、京都大学臨界実験装置の運転再開の目処は得られていない。そのため、本補助事業の実施期間を1年間延長する手続きを取った上で、同装置を用いず、天然ウランを用いた代替実験体系用いる実証実験に切り替えることとした。令和5年度は、まず天然ウラン体系の予備解析を実施する。次に、天然ウラン体系を用いた実証実験を実施する。なお、天然ウラン体系の構築は、京都大学臨界実験装置において進行中の燃料低濃縮化プロジェクトに係る許認可審査とは関係がないため、令和5年度中に構築することに支障はない。
|