14族元素を用いた化学種の制御による不斉合成法の開発
Project/Area Number |
20K05515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka City University (2020-2021) |
Principal Investigator |
坂口 和彦 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80264795)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アレニルシラン / 分子内環化 / シクロブタン / カスケード環化 / 不斉非対称化 / セミピナコール転位 / シクロヘキサジエノン / 脱芳香族化 / スピロジエノン / 4員環 / フェノール / 不斉転写 / 超原子価ヨウ素 / 軸不斉 / 炭素環形成 / テトラヒドロピラノン / プリンス環化 / β-効果 / 立体選択性 / γ-ブチロラクトン / ケイ素 / α-ヒドロキシシラン / α-シリルカチオン / 不安定化 / 14族元素 |
Outline of Research at the Start |
ケイ素をはじめとする14族元素の電子的特性により、カチオン中間体を不安定化することでラセミ化を抑制し、高度な不斉転写を伴う分子変換反応を開発する。これにより、従来に類例のない「反応活性種の不安定化による反応制御」を鍵とした不斉合成の新たな可能性を切り拓く。 光学活性α-ヒドロキシシランを出発物質として、不斉分子内Friedel-Crafts環化反応、不斉オレフィン環化反応、に取り組む。これにより、「ケイ素が隣接することによるカチオン種の不安定化」が不斉の保持に及ぼす影響を明らかにすると共に、新奇な不斉転写型分子変換を実現する。また、これらの反応をケイ素以外の14族元素に拡張する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度末に論文投稿した「超原子価ヨウ素を用いたアレニルシランが連結したフェノール類の脱芳香族化を伴う酸化的分子内環化」がSynthesis誌に受理された。 令和5年度は、昨年度に見出した「酸が促進するアレニルシランが連結したジエノンの分子内環化」の一般性を調査するとともに生成物である縮合[6-5-4]三環式化合物の化学変換に取り組んだ。本反応は、キラルなアレニルシランによりプロキラルなシクロヘキサジエノンの2つのエノン部位をジアステレオ選択的に識別する方法論(不斉非対称化)と位置づけられる。 アレニルシランがメチレン鎖を介して4位に置換した2,5-シクロヘキサジエノンをTiCl4と反応させると、ケイ素のγ位およびβ位での分子内環化が一方のエノン部位で位置選択的に起こり、6、5および4員環を含む縮合三環式化合物が光学純度を保持して立体選択的に得られた。本反応は、アレニルシランの位置および立体選択的な求核攻撃が起点となるカスケード型カチオン環化であり、熱的条件下での分子内[2+2]環化付加により縮合[6-5-4]三環式骨格の形成に成功した初めての例となる。今年度は、まず、生成物の構造をX線結晶構造解析により確かめた。続いて、シリル基をアルキル基に置換したアナログでは同様の反応は進行せず、本環化反応にはケイ素が必須であることが確かめられた。連結部のメチレン鎖をひとつ増したアナログの反応では環化は起こらなかった。その結果、カチオン中間体に及ぼすケイ素の安定化効果と炭素数の違いによる環ひずみが本環化に影響を及ぼすことが明らかとなった。また、得られた縮合三環式化合物の化学変換を検討し、加熱酸性条件下でのセミピナコール転位による架橋型三環式化合物への骨格変換を見出すことができた。以上をまとめて論文(Organic Letters)投稿し受理された。
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Report
(4 results)
Research Products
(15 results)