Project/Area Number |
20K05582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34030:Green sustainable chemistry and environmental chemistry-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 稔久 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (20373326)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | バイオベースポリマー / ポーラス構造 / 繊維 / 高機能化 / バイオベースポリマー繊維 / 異形断面 / 薬物含浸 |
Outline of Research at the Start |
(1)バイオベースポリマー繊維の作製条件の検討として、微結晶核延伸法の実験条件(冷結晶化・延伸・熱処理条件)の検討を行う。また、ポーラス構造の形成条件(多孔質化の条件、不透明・透明繊維の作製)の検討を行う。 (2)バイオベースポリマーの異形断面繊維の作製として、異形断面繊維(丸型・十字型・三角型・星型など)の作製条件の検討を行う。 (3)ポーラス構造を有する繊維内部への薬剤含浸として、繊維内部への薬剤含浸方法と条件検討を実施する。 (4)バイオベースポリマー繊維の物性評価として、異形断面繊維の物性評価(分解性・保温性・表面特性・風合いなど)、繊維内部の薬剤含有量の算出と薬剤徐放性の評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
海水・河川・土壌中の細菌により容易に分解する「バイオベースポリマー」を使った製品開発が期待されている。しかし、バイオベースポリマーを従来のプラスチック製品の代替材料として使用する場合、生産コストの削減、機能性・物性の向上(加工性の改善・高強度化・分解性の制御・表面特性の制御)など、達成しなければならない課題は多い。 以上のような、バイオベースポリマーの利用・普及において克服すべき課題として、機能性や物性を向上させるために、微結晶核延伸法(冷結晶化)により作製したバイオベースポリマー繊維の高機能化を目指した。 バイオベースポリマー試料として、微生物産生脂肪族ポリエステルのポリ[(R)-3-ヒドロキシブチレート]の共重合体である、ポリ[(R)-3-ヒドロキシブチレート-co-(R)-3-ヒドロキシヘキサノエート] (P(3HB-co-3HH))を用いた。 溶融紡糸後、一定環境条件で延伸を実施することで、ポーラス構造を有するP(3HB-co-3HH)繊維を作製した。ポーラス構造の形成制御のために、冷結晶化条件において、異なる溶媒、温度、時間を検討することで、微細なマイクロポーラス構造だけでなく、マクロな中空構造の形成が認められた。マクロな中空構造の形成条件は明らかになってきたが、形成メカニズムや主たる要因は、まだ明確になっていない。 また、微結晶核延伸法(冷結晶化)を溶融フィルムに適用し、冷結晶化条件の検討により、ポーラス構造を有するP(3HB-co-3HH)フィルムの作製に成功した。作製した内部構造の異なるP(3HB-co-3HH)フィルムの力学物性や透明性、構造解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2・2020年度は、新型コロナウィルス感染症拡大により、大学や研究室内での実験の実施が禁止・制限された。令和3・2021年度から令和4・2022年度にかけ、実験の実施は可能となったが、当初の研究計画から変更の必要があり、研究計画に沿った詳細な実験条件の検討が実施できなかった。また、計画通りの経費使用もできなかった。令和5・2023年度は、当初の研究計画から変更した実験計画に沿って成果が得られたが、全体の進捗状況としては、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究実施計画としては、当初計画していた4年間では達成できなかった課題を、5年目(令和6・2024年度)に実施することを目標とする。具体的には、バイオベースポリマー繊維の作製条件の検討を実施する。条件検討により作製した試料に関して、物性評価・機能性の付与を行い、バイオベースポリマー繊維の高機能化を目指す。随時、得られた結果について取りまとめ、学会発表や論文等により成果の発表を行う予定である。
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