三次元立体・多孔質構造を有するカルコゲナイド系水素発生電極の創製と活性点解明
Project/Area Number |
20K05698
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
北沢 信章 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (60272697)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 水熱合成法 / 硫化処理 / アニオン交換法 / ナノワイヤー集合体 / 酸化物ナノワイヤー / 水分解触媒 / ナノ構造水酸化物 / 非晶質カルコゲナイド / 二段階水熱法 / 三次元立体・多孔質構造 |
Outline of Research at the Start |
化石燃料の燃焼による二酸化炭素の排出を抑制し、さらなる地球温暖化の進行を阻止することは、我々人類にとって喫緊かつ最大の責務である。本研究では、クリーンなエネルギー源として、貯蔵可能かつ二酸化炭素を排出しない水素を製造するための高効率水素製造電極を創製することを目的としている。具体的には、多孔質金属表面を反応場とした非晶質カルコゲナイドを析出させるための新規な材料プロセスを開発し、三次元立体・多孔質構造を有する非晶質カルコゲナイド系水素発生電極の活性点を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、三次元・立体構造を有する多孔質金属メッシュ表面に非晶質カルコゲナイドナノ構造体を合成するための新規な材料プロセスを開発し、水分解に関与する活性点を明らかにすることによって、高効率水分解電極を創製するための新しい物質・材料化学を切り開くことである。令和4年度の研究では、水熱法によって合成された(Ni,Co)(OH)2ナノワイヤー集合体を硫化処理することによってNiCo2S4ナノワイヤー集合体を合成し、それらの基礎物性を明らかにすることを目的とした。 水熱法によってニッケルメッシュ表面上に合成された(Ni,Co)(OH)2ナノワイヤー集合体を硫化ナトリウム水溶液に浸漬する硫化処理を常温で行うと、アニオン交換反応により水酸化物から硫化物へ構造変化が生じたと推察される試料の黒化が認められた。さらに、硫化処理によってもナノワイヤー構造を保持していること、M-S結合(M = Ni,Co)が形成されていることが電子顕微鏡観察およびラマン分光測定から認められた。しかしながら、硫化処理によるこれらの現象は、コバルトイオンの還元による金属コバルト生成、および、ニッケルメッシュから溶出したニッケルイオンと硫化物イオンおよび水酸化物イオンとの反応生成物であるNi2S3、Ni(OH)2のナノワイヤー表面への析出によるものであることがX線回折測定から明らかとなった。 以上の結果から、硫化ナトリウム水溶液を用いた常温での硫化処理では(Ni,Co)(OH)2ナノワイヤー集合体からNiCo2S4ナノワイヤー集合体が得られない結果となってしまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、水熱法によって合成された(Ni,Co)(OH)2ナノワイヤー集合体を硫化処理することによってNiCo2S4ナノワイヤー集合体を合成し、それらの基礎物性を明らかにする予定であったが、コロナ禍による制限等のため実施することができなかった。また、硫化処理方法およびその条件そのものに問題があったため、目的物質であるNiCo2S4ナノワイヤー集合体が合成できなかった。以上の理由により「遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として(1)イオン交換法によって水酸化コバルト系ナノワイヤー集合体から、ナノワイヤー構造を保持したまま硫化物ナノワイヤー集合体を合成するための新規な材料プロセスを確立する。今年度の結果から、硫化ナトリウム水溶液を用いた室温での硫化処理は困難であることから、反応温度について検討する。また、計画が当初予定通りに進まない場合を想定して、水熱法によってニッケルメッシュ表面に硫化物ナノ構造体を析出させるためのプロセスを開発する。さらに(3)合成された硫化物ナノワイヤー集合体(またはナノ構造体)の微構造、表面電子状態ならびに水分解特性を明らかにする計画である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)