Project/Area Number |
20K05827
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内海 俊彦 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (20168727)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | N-ミリストイル化 / ミトコンドリアタンパク質 / 膜貫通タンパク質 / NDUFB7 / ミトコンドリア電子伝達系 / 膜タンパク質 / ANKRD22 / Lipid droplet / タンパク質N-ミリストイル化 / タンパク質脂質修飾 / タンパク質機能制御 |
Outline of Research at the Start |
タンパク質N-ミリストイル化は、これまで可溶性の細胞質タンパク質に生じ、膜への局在化を介して特異的機能を発現することが知られてきたが、最近我々はN-ミリストイル化が膜タンパク質の細胞内局在や機能発現にも重要な役割を果たすことを明らかにした。本研究では、まだ解析がなされていない約30個のN-ミリストイル化された膜タンパク質のうち、細胞小器官の形成や分解をはじめとする重要な生理的機能を担う膜タンパク質に注目し、これらの膜タンパク質に生ずるN-ミリストイル化の生理的機能を明らかにし、N-ミリストイル化を介した、膜タンパク質の新たな機能制御機構の全体像の解明をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
膜貫通タンパク質に生じるN-ミリストイル化の機能解明を目的としたこれまでの本研究から、全ミトコンドリアタンパク質が収集されたMitoProteomeのアミノ酸配列情報をもとに、これまでに確立した手法によりN-ミリストイル化タンパク質の網羅的同定の試みを行なった結果、多数の膜貫通タンパク質を含む30個を超える候補タンパク質を見出した。 本研究ではこの中から膜貫通タンパク質と推定される3つのタンパク質を含む7つのタンパク質(CLN3,DMAC1,HCCS,MARC1,NDUFB7,NOL3,PLGRKT)についてN-ミリストイル化の有無とその機能について解析を行なった。その結果、7つのタンパク質はいずれのタンパク質も細胞での過剰発現に伴いN-ミリストイル化されるが、このうちミトコンドリアに特異的に局在するのは2つの膜タンパク質DMAC1, PLGRKTを含む4つのタンパク質(DMAC1,HCCS,NDUFB7,PLGRKT)であることが明らかになった。また、1回膜貫通型膜タンパク質と考えられるMARC1は、ミトコンドリアと小胞体の2つの細胞小器官に局在することが示された。さらにN-ミリストイル化を阻害した変異体(G2A mutant)を用いた解析から膜貫通タンパク質と推定されるDMAC1,PLGRKT,MARC1ではいずれにおいてもミトコンドリアへの移行にN-ミリストイル化は必要ではないことが示された。これに対して、可溶性タンパク質であるNDUFB7,HCCSのうちNDUFB7のミトコンドリアへの移行にはN-ミリストイル化が必要であることが明らかになった。これらの結果から、ミトコンドリア内には多数のN-ミリストイル化タンパク質が存在するが、これらのうち膜貫通型タンパク質に生ずるN-ミリストイル化はミトコンドリア局在には関与せず、他の機能を担っていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、全ミトコンドリアタンパク質データベースから見出された7つのN-ミリストイル化候補タンパク質について、そのN-ミリストイル化とその細胞内局在におけるN-ミリストイル化の役割について検討した。その結果、7つのタンパク質はいずれもN-ミリストイル化されるが、これらのタンパク質にはミトコンドリアに特異的に局在するタンパク質が4つ、ミトコンドリアと小胞体に局在するタンパク質が1つあり、ミトコンドリアタンパク質データベースに収録されたタンパク質が必ずしもミトコンドリアのみに局在しているとは限らないことが示された。このミトコンドリアに局在する5つのタンパク質についてN-ミリストイル化を阻害した変異体(G2A mutant)を用いて解析した結果、膜貫通型タンパク質と考えられる3つのタンパク質ではいずれにおいてもミトコンドリアへの移行にN-ミリストイル化は必要ではないことが示された。これに対して、可溶性タンパク質であるNDUFB7,HCCSのうちNDUFB7のミトコンドリアへの移行にはN-ミリストイル化が必要であることが明らかになった。このことは、ミトコンドリアの膜貫通型タンパク質と可溶性タンパク質ではタンパク質の細胞内局在におけるN-ミリストイル化の役割が異なる可能性を示しており、膜タンパク質に生ずるN-ミリストイル化の役割の解明を目的とした本研究の当初の目的の解明に一定の成果をもたらしたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究の過程でミトコンドリア外膜や内膜に局在する膜タンパク質や膜間腔タンパク質がN-ミリストイル化されていることが新たに見出された。そこで2024年度の本研究においては、これらのミトコンドリアタンパク質に生ずるN-ミリストイル化や膜貫通領域について、その細胞内局在や膜への組み込みにおける役割について解析を行う。さらにこれらの結果を、これまでに我々が見出したSAMM50, TOMM40という2つのミトコンドリア膜タンパク質に生ずるN-ミリストイル化の解析で得られた結果と比較検討を行うことで、ミトコンドリアに局在する膜タンパク質に生ずるN-ミリストイル化の役割の全体像を明らかにする。
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