Project/Area Number |
20K05972
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka Prefecture University (2020-2021) |
Principal Investigator |
山口 夕 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (60335487)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ダイズ / 生理活性ペプチド / グリセオリン / イソフラボン / 病害虫抵抗性 / DAMP / 病害抵抗性反応 / ファイトアレキシン |
Outline of Research at the Start |
ダイズのイソフラボンの一種であるグリセオリンは、抗菌活性を有しており、一部の植物病原菌に対する抵抗性に寄与している。グリセオリンはまた、乳がんや子宮がんの増殖抑制物質として医療分野でも研究が進められている。申請者はこれまでの研究で、ダイズの8アミノ酸ペプチドGmPep914がグリセオリンの合成を活性化することを見出している。そこで本研究では、GmPep914を過剰発現させて、グリセオリンを高蓄積する形質転換ダイズ系統が作出可能か、グリセオリンの高蓄積により病害抵抗性が向上するか検証するとともに、作成した形質転換ダイズを利用して、GmPep914の作用メカニズムの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではダイズ8アミノ酸ペプチドGmPep914を過剰に発現させることにより、機能性成分であり、抗菌物質でもあるグリセオリンを高蓄積するダイズ系統の作出を目指していた。ダイズの形質転換方法としては子葉節にアグロバクテリウムを感染させる方法で行っていたが、本年度は胚軸を用いる方法についても行った。しかし、残念ながら選抜マーカー(グルホシネートアンモニウム)で生存できる再分化個体の取得には至っていない。 GmPep914過剰発現ダイズの作出がなかなか進まないため、本研究内で作成したダイズ培養細胞を用いて、引き続きペプチド投与によるイソフラボン類の蓄積量の変化についてHPLC-PDAを用いて解析した。本年度では、GmPep914とそのホモログであるGmPep890の10 uM以上の処理により、安定して24時間以内にグリセオリンの蓄積が起こることを明らかにした。グリセオリン標品を用いて定量したところ、10 uM24時間の処理により約200 mg/g (乾物重)のグリセオリンが蓄積することが分かった。一方、ダイズの主要なイソフラボンであるダイジン、マロニルゲニスチン、ダイゼイン、ゲニステインについては、GmPep914とそのホモログであるGmPep890を1 nMという低濃度で処理しても24時間で顕著に減少することが新たに分かった。これらの応答は、水処理やGmPep914の8番目のアミノ酸をアラニンに置換したペプチド(GmPep914Y8A)の処理では認められなかったため、これらの応答がGmpep914とGmPep890に特異的な応答であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ダイズの形質転換に使用する品種の変更や、アグロバクテリウムの感染組織の変更などを行ったものの、GmPep914過剰発現体の作出には至っていない。一方で、ダイズ培養細胞へのGmPep914投与によるグリセオリンの蓄積誘導に加えて、低濃度のGmPep914処理により短期間に顕著に主要なイソフラボン類の蓄積量が減少することが新たに明らかとなった。以上のことから、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
GmPep914過剰発現ダイズの作製については引き続き進めるとともに、ダイズ培養細胞を用いたグリセオリンの蓄積と他イソフラボン類の蓄積量減少について詳しく解析していく。これまでの結果は、ペプチド処理時間が24時間の1ポイントであったため、経時的な解析を進める。グリセオリン以外のイソフラボン類につては、定量的な解析を進めることにより、ペプチド処理によるグリセオリンを含むイソフラボン類の合成経路の変動について明らかにしていきたい。また、これまでに作製したGmPep914過剰発現用ベクターを利用して、ダイズ培養細胞の形質転換を行い、その効果を検証する。
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