Metabolite dynamics among different organs in crop under heterogeneous water environment
Project/Area Number |
20K05997
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39020:Crop production science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仲田 麻奈 名古屋大学, 農学国際教育研究センター, 助教 (70623958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若山 正隆 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (20721913)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | イネ / 土壌水分変動 / 根 / フェノタイピング / メタボローム解析 / フェノタイピングシステム / 水ストレス / 根系 |
Outline of Research at the Start |
作物の主要な生産性規定要因である水ストレスを、時間的・空間的水分不均一性に着目し、水ストレス適応性向上に関連する代謝物の同定ならびに遺伝制御について明らかにすることを目的とする。作物の器官間とくに根系の構成根別の代謝物の変動とそれらの遺伝変異ならびに発現遺伝子の網羅的な解析を行う。あわせて低コストでハイスループットなフェノタイピング手法の確立を目指す。本研究の成果より、作物の水ストレス適応性指標となるバイオマーカーの探索やフェノタイピング技術の開発に結びつく、今後の根系育種を発展させる有用な知見の提供に繋がることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、イネの不均一な水分条件への適応性に関連する代謝物の変動と遺伝制御について明らかにすること、そのためのフェノタイピング手法を確立することを目的とした。土壌中で起こり得る湿潤→乾燥→湿潤の土壌水分変動条件を、水耕液あるいは寒天培地にて再現した。そのような水分変動条件に対し高い適応性を示すイネは、そうでないイネと比較して、表現型の違いには有意な差は確認されない場合でも、代謝物の変動に大きな違いがあることが明らかとなった。すなわち、高い適応性を示すイネは、乾燥ストレス解除24時間後から代謝物の反応が対照区(乾燥ストレスなし)に近づく傾向がみられ、乾燥ストレス解除72時間後には、対照区と同様の代謝反応に戻ることが明らかとなった。また、その反応が根→葉鞘→葉身の順で顕著に現れ、品種間にも違いがみられた。根の炭素安定同位体比(δ13C)を調べた結果、水分変動条件に適応できないイネは、乾燥ストレス解除にδ13Cが有意に上昇したことからも、乾燥ストレス解除による環境の変化がよりストレスとなり、回復できないことが示唆された。 昨年度の課題であった根系形質の画像取得において、寒天培地にゲランガムを用いること、写真撮影ではなくスキャナーで画像を取り込むことで評価方法を工夫した。また、画像解析ソフトにWinRHIZOを用いていたが、SmartRootも併用して異なる画像解析ソフトの解析結果の違いについても検討を行った。その結果、総根長に有意な差はなくても、直径の小さい側根はWinRHIZOで測定すると過大評価していることがわかり、SmartRootの方が適していた。この結果も踏まえ、使用する解析ソフトとデータの取り込み方法も探索していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イネの乾燥ストレス解除後の代謝反応について、器官間と品種間の違いを明らかにできた。またフェノタイピングにおいて、昨年度の課題点も改善でき、低コストでハイスループットなフェノタイピング手法の確立に向けて、評価システムを構築できつつある。一方で、根系を構成する異形根に着目したメタボローム解析を行う予定であったが、解析に十分なサンプル量を調整することができなかったため、次年度に行うことにした。これに関しては、保存してあるサンプルを用いて解析を進めていくこととする。これらの状況を踏まえ、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボローム解析の結果を整理し、水分変動に対して高い適応性を示すイネ特異的な代謝物を器官別に特定する。特定した代謝物に関連する酵素活性や遺伝子発現について調べることで、不均一な水分条件へ適応メカニズムを明らかにする。 またこれまので結果より、処理によって栽培培地中のイオン濃度に違いがみられたため、水耕液あるいは寒天をサンプリングして、イオン濃度とくにNO3-とNH4+の変化について調べ、植物体の生育や代謝物変動との関連性を明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Morpho-physiological and molecular mechanisms of phenotypic root plasticity for rice adaptation to water stress conditions2021
Author(s)
Lucob-Agustin, N., Kawai, T., Kano-Nakata, M., Suralta, R. R., Niones, J. M., Hasegawa, T., Inari-Ikeda, M., Yamauchi, A. and Inukai, Y.
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Journal Title
Breed. Sci.
Volume: 71
Issue: 1
Pages: 20-29
DOI
NAID
ISSN
1344-7610, 1347-3735
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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