Project/Area Number |
20K06010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39020:Crop production science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
福岡 峰彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (40435590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | イネ / 不稔率 / 稔実率 / 高温不稔 / ハイスループット |
Outline of Research at the Start |
温暖化に伴い、高温不稔によるイネの減収が懸念される。発生実態の解明と対策技術の開発には、多様な環境条件における高温不稔の発生実態の定量的評価が欠かせない。しかし、籾の稔/不稔の評価は非効率的な手作業に依存しているのが現状である。このことは調査の「空間的×時間的×遺伝的」な広がりと分解能を厳しく制約しており、実態の網羅的な把握と解明を阻んでいる。本課題はこのような現状を打破するため、籾の「静電選別」に着目し、稔実の成否を迅速に判別しうる籾の物理・形態的特性を解明するとともに、機械化可能な選別・評価手法を開発しようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イネの籾の内部に子実が存在する稔実籾と、高温等の影響により受精に失敗した結果として籾の内部に子実が存在しない不稔籾を、静電分別により簡便かつ非侵襲的に判別する方法を確立することで、温暖化により発生の増大が懸念される高温不稔の発生実態の把握と、それに起因する減収を回避するための対策技術の開発を加速しようとするものである。 稔・不稔の判別には従来、籾を一粒一粒指で押さえた際の触感により子実の有無を判定する方法や、薬液による子実の染色および籾殻部分の脱色を行ったのちライトテーブル等を用いて籾に可視光を透過させて子実の有無を判定する方法が用いられているが、圧迫による構造の破壊や薬液による変性といった不可逆的な変化が籾に生じうる侵襲的な方法である上、多大な労力を要するという問題がある。 当年度は、前年度に探索した、不稔籾と稔実籾の分離に適した処理条件およびそれに適した用具の構造を踏まえて、高電圧帯電装置(高電圧電源で制御された高電圧を発生させ、接続された帯電バーを通じて対象物を帯電させる装置。静電分別に用いる用具を帯電させる。)を主に用いて、不稔籾と稔実籾が混在している籾サンプルを静電選別により分別するための暫定的なプロトコルを構築した。 なお、前年度と同様に、屋外施設において栽培したイネに対して、開花期を中心とする時期に環境ストレスを与え、本課題の検証に用いるためのテスト用サンプルとして不稔籾および稔実籾を潤沢に確保した上で試験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的をより精緻に達成するための研究を実施する目的で期間の延長を申請したが、その直後、研究の実施に不可欠な帯電電圧測定装置に不具合が生じ、修理が完了するまでに時間を要したことから、課題進行にやや遅れが生じている。延長した期間の範囲で遅れを吸収する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、①不稔籾と稔実籾の物理・形態特性の解明、②物理・形態特性を踏まえた静電選別装置の開発、③品種による籾の形状等の違いが及ぼす影響の評価、④従来法との比較による評価特性の検証および実使用条件でのブラッシュアップ、の順で研究開発を進めている。特に③および④について、より精緻な検討を行うために期間を延長することとしたので、次年度はこれに取り組む。
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