Study on chemical basis of plant-provided food for natural enemy insects
Project/Area Number |
20K06064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
釘宮 聡一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 上級研究員 (10455264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 武志 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, グループ長 (20370512)
前田 太郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 上級研究員 (50414941)
岸 茂樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業情報研究センター, 主任研究員 (80726050)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | インセクタリープランツ / 花蜜 / 補助餌源 / 天敵の保護・強化 / 環境保全型害虫管理技術 |
Outline of Research at the Start |
環境保全型害虫管理において近年、天敵の保護・強化のために天敵温存植物(インセクタリープランツ)の使用が推奨されているが、それらの植物が天敵に効果をもたらす際のメカニズムや成分の詳細については未解明のままである。本研究では、花蜜等の成分の組成を化学分析で明らかにしつつ、寄生蜂などの天敵昆虫の実験モデルに対して、それら花蜜成分等の給餌効果を生物試験で評価する。最適な成分組成を探索し、それらを活用した天敵の保護・強化による新たな環境保全型害虫管理技術の開発を目指す。また、これらを通して植物-害虫-天敵-送粉者の複雑な相互関係を捉え直し、「花」が果たす多面的な役割を究明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
天敵温存植物の候補となる植物種について、それらの花の天敵に対する給餌効果を実験室内で評価した。天敵のモデルとして寄生蜂コナガサムライコマユバチで試験を行った。飼育室で当日に羽化したばかりの本寄生蜂の成虫を準備しておき、温室で栽培した植物から花を採取して水に挿し、これらを未交尾の雌雄各10頭毎に与えて生存期間を調査した。水に挿した花は十分な数を毎日あるいは数日毎に取り換え、適宜、水を補充した。比較対照として、蒸留水で希釈した蜂蜜液を染みこませた綿を与えた場合(陽性対照)や、蒸留水のみを染みこませた綿を与えた場合(陰性対照)の生存期間を調べた。 この試験の結果から、寄生蜂の生存期間に与えた効果によって ① 蜂蜜液を与えた場合と遜色なく、或いはそれ以上に寄生蜂が長期間生存できる花、② 蒸留水のみを与えた場合よりも長く寄生蜂が生存できるが、蜂蜜液を与えた場合よりも生存期間が短くなる花、③ 蒸留水のみを与えた場合と寄生蜂の生存期間がほぼ同じか、それよりも短期間に死亡する花、に大きくグループ分けすることができた。特に、蒸留水を与えた場合よりも短期間に寄生蜂が死亡した花では、花蜜に毒成分が含まれていると考えられ、これらは盗蜜者や害虫に対しても同様の効果があると推測される点でとても興味深い。 花蜜に含まれる糖の濃度を簡易的に糖度計で測定したところ、ほぼ同じ糖濃度であっても、寄生蜂の生存期間が長くなる花と、逆に生存期間が短くなる花があった。今後、花蜜の詳細な化学分析によって、これらの違いが花蜜を構成する糖の異なる組成によって生じたものなのか、または、糖以外の成分が寄生蜂の生存期間に影響したのかなどが明らかになってくると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者の2名に異動があり、研究材料の植物や昆虫の準備等が遅れた。また、新しい赴任地での研究環境の再構築を要したため、研究の進捗にやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から引き続き、コナガサムライコマユバチを対象にして様々な花の天敵給餌効果を評価し、そのデータを蓄積する。また、ガラス毛細管等を使って花蜜や花外蜜のサンプリングを行い、それらに含まれる化学成分を明らかにするため、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography: HPLC)によって分析する。蜜には様々な成分が含まれていると考えられるが、まずは主成分である糖の組成に注目し、その分離に適したアミノカラム等を用いて分析を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)