Project/Area Number |
20K06110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39070:Landscape science-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka Prefecture University (2020-2021) |
Principal Investigator |
中村 彰宏 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (20264814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木全 卓 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (60254439)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 都市緑化樹木 / 風倒被害 / 3次元計測 / 樹冠形状 / 幹折れ安全率 / 曲げ強度 / 腐朽 / 3次元計測 / 風圧モーメント / 台風 / 幹折れ / 生材の曲げ強度 / 材密度 / 樹冠の3次元形状 / 樹冠面積 / 根返り / 自生種 / 外来種 / 風倒 / 緑化樹木 / 3次元形状 / 根系 / 土壌 |
Outline of Research at the Start |
都市域に植栽される街路や公園の樹木の風倒による災害を防止、軽減するための樹木管理方法を明らかにすることを目的に、樹木の風倒への抵抗力を、強風時の実測と引き倒し試験から明らかにする。樹種や樹冠の形状が受ける風圧や抵抗力に与える影響を評価するとともに、これまでの台風によって根返りや幹折れの発生した緑地での被災特性を、過去に取得された3次元レーザデータから解析する。これらの結果から、風倒を受けやすい樹木特性を明らかにし、災害を軽減するための剪定などの管理方法、災害を受けにくい根系や土壌条件などの植栽手法について考察を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、昨年に引き続き、樹木の個体形状から風倒・幹折れの可能性の評価・樹種特性解明のための調査を実施した。2018年台風21号で多くの被害樹木の発生した都市内緑地において、夏季前に樹木個体の形状計測のために、3種を対象に、地上設置型3次元レーザスキャナを用いて個体全体の形状を計測し、あわせて胸高直径を実測した。レーザデータをもとに樹冠の測面積を推定し、2018年台風21号時の最大瞬間風速と、樹種ごとの曲げ強度を文献等のデータを用いて、最大風速時の風倒モーメント、断面係数を用いて、幹折れの安全率を求めた。対象とした全ての個体の安全率は1以上となり、2018年の台風時でも幹折れが発生しなかったことの裏付けを取ることができた。なお、1種については、幹の腐朽がしばしば発生する樹種であることから、幹の腐朽部分の定量的評価をデジタルマイクロプローブで行い、この腐朽部分を考慮した安全率の再計算も行った。その結果、腐朽割合はほとんどの個体では小さく安全率への影響は小さかった。しかし、1個体では幹の半分程度が腐朽したと考えられ、安全率も大きく低下し、腐朽状態によっては幹折れ可能性が大きく上昇することも明らかとなった。また、1種については、分枝した枝ごとの幹折れの評価も実施し、主幹のみでなく、分枝した樹幹形状による幹折れの可能性の評価も行った。さらに、これら3種を対象に破壊試験を実施して曲げ強度を算出したが、データのばらつきが大きかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目的は、1.既存の台風によって発生した風倒木の樹種特性を明らかにし、2.強風時における都市緑化樹木の幹の変位量、樹冠や樹幹形状、風速計測による抵抗係数の算出しる、3.幹の曲げ強度試験によって幹の強度データを取得し、これらをまとめて都市緑化樹木の樹形等から風倒危険性を評価する手法を開発することである。1.については概ね終了できたが、2.については2023年に唯一接近した台風前に新型コロナに感染したため、台風の規模が大きくなかったために、2.の変異計測などを実施することができなかった。また、3.の曲げ強度試験についても、実施したがデータのばらつきが大きかった。それゆえ、研究の進捗状況は遅れており、2024年度も研究期間を延長し、2と3.についての良好なデータ取得し、風倒危険性を評価できる手法の確立を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、台風での被害の多かった樹種のうち、幹折れや根返り個体の多かった樹種を対象に、いくつかの都市内緑地で地上設置型レーザスキャナを用いて樹冠形状を計測し、強風時の個体ごとの幹折れや風倒の可能性を評価する。そして、台風によって今年度に被害が発生した場合には、種ごとの被害状況と樹冠形状から算出した幹折れや風倒の可能性とを比較し、樹種ごとの3次元形状からの風倒危険性の評価手法を確立する。また、台風被害が発生しなかった場合には、冬季に、葉が存在する常緑樹を対象に風速と幹揺れを高いサンプリング周波数で計測し、幹揺れからの風倒危険性評価の可能性についても検討する予定である。
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