Project/Area Number |
20K06214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高見 宗広 東海大学, 海洋学部, 講師 (70835933)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 中深層 / 漸深層 / 仔稚魚 / 閉鎖器 / 層別採集 / 深海底生性魚類 / 中・漸深層 / 酸素極小層 / 近底層 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,これまで仔稚魚の成育場として考えられたことのない中深層および漸深層を成育場として捉え,知見がほとんどない深海底生性魚類の初期発育の全体像を明らかにし,生存戦略の一般則を解明するものである.また,この調査水深には酸素極小層(水深1000 m付近)というほとんど生物が生息していないといわれる水深帯が含まれている.この酸素極小層における仔稚魚の成育場としての機能が明らかになることは,深海域における生態系の理解に大きく貢献するものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
22年度実績報告書の今後の研究推進方策で述べた通り,23年度は所属組織の仕事としてアメリカ合衆国カリフォルニア州のモスランディングにあるモントレー水族館研究所(MBARI)に出張で1年間滞在していた.そのため,本研究を進めることはできなかった.しかし,副次的にMBARIに保管されていたモントレー湾の中深層でROVによって撮影されたソコダラ科稚魚の動画と標本を発見した.この標本は,計数形質と分布からNezumia stelgidolepisに同定された.本種の稚魚期は,Iwamoto (1979)によってすでに報告されているが,その標本はネット採取によって破損しており,今回観察された生時の形態的特徴とは大きく異なっていた.本標本を,本研究の目的の一つである「知見の乏しい仔稚魚の形態発育の解明」の一つとして利用する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
20年度および21年度はコロナ禍による調査の制限,23年度は海外出張で1年間アメリカに滞在し本研究を実施できなかったなどが重なり大幅に遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
22年度までに中漸深層における層別採集調査は確立されてきたものの,中漸深層における仔稚魚の生息密度が低いことも相まって,コロナ禍を主な原因とする過去2年間の研究の遅延を取り戻すには至らず,加えて2023年度の1年間は,海外出張中のため本研究を進めることができなかった.本研究の5つの主目的のうち2020年度から2023年度で終了する予定であった「中漸深層の仔稚魚相の把握」および「知見の乏しい仔稚魚の形態発育の解明」を現在も進めている状況であり,最終年度である2024年度中に残りの主目的である「食性,成長,産卵数を含めた初期生活史の解明」,「分布水深,形態,食性,産卵数の関係性から生存戦略の一般則を見出す」および「中漸深層における仔稚魚の成育場としての機能の解明」を達成するのは困難である.従って,最終年度は,「中漸深層の仔稚魚相の把握」および「知見の乏しい仔稚魚の形態発育の解明」に注力し,その充実を図る.2022年度の調査では,800-1000 m層には仔稚魚が少なく,500-700 m層から多くの仔稚魚が得られたことから,2024年度は500-700m層を中心に調査を実施する.また,3層同時採集にも着手し,より採集努力量を高めるとともに,詳細な水深ごとの仔稚魚相の把握を進める.それらで得られた標本に加え,調査海域が異なるがMBARIに保管されていた動画の中から発見された中深層で撮影されたソコダラ科仔稚魚の形態も含めて「知見の乏しい仔稚魚の形態発育の解明」を行う.また,種数は限られると思われるが,ノコバイワシなどの形態発育を明らかにできた種の食性,成長,産卵数の把握も進め,可能な限り初期生活史の解明をすすめることで,各種ごとの生存戦略の一端を見出す.
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