農業経営の財務構造と統治のダイナミズム-民間信用調査を活用して-
Project/Area Number |
20K06280
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森 佳子 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (40346375)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 智裕 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80378322)
鈴村 源太郎 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (90356311)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
|
Keywords | 経営情報の利用 / 公的農業統計 / 民間情報 / 農業経営の財務構造 / 農業経営の統治 / 経営支援 / 農業の成長産業化 / 農業経営の組織文化 / 農業経営統計 / 農業金融 / 民間信用調査の活用 / 財務構造と統治 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、民間信用調査の調査結果を用い、農業経営の財務構造と企業統治のダイナミズムについて分析し、農業金融問題への新たな分析枠組みの導入可能性の検証を行うことである。本研究で用いる民間信用調査は、複数年の財務諸表に加え、取引銀行や出資関係、取引先など、広く企業統治にかかわる情報を有しており、農業金融分野におけるミクロ的視点による実証を可能にする。本研究の遂行により、多様な農業経営主体と資金供給主体(政府・民間金融機関・仕入先)との取引関係等の分析を行い、農業の成長産業化に資する農業金融の役割や政策課題を明らかにすることができる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、民間信用調査の調査結果を用い、農業経営の財務構造と統治のダイナミズムについて分析し、農業金融問題への新たな分析枠組みの導入可能性の検証を行うことである。民間信用調査は、複数年の財務諸表に加え、取引銀行や出資関係、取引先など、広く企業統治にかかわる情報を有しており、これまで手薄であった農業金融分野におけるミクロ的視点による実証を可能にする。本研究では、90年代以降、めざましい発展を遂げている中小企業金融の分析枠組みにより、多様な農業経営主体と資金供給主体(政府・民間金融機関・仕入先)との取引関係等の分析を行い、農業の成長産業化に資する農業金融の役割や政策課題を明らかにすることをめざす。 本研究の課題は、以下の二点に集約される。第一は、民間信用調査から、農業金融のミクロ的視点の分析に資する情報の検討を行い、構築したデータベースから、農業経営の財務構造と統治のダイナミズムを明らかにすること、第二は、農業金融問題への新たな分析枠組みの導入可能性の検証である。 2023年度は、第1に、21年度から引き続き、第1の課題である、民間信用調査から、農業金融のミクロ的視点の分析に資する情報の検討を行い、データベースの試行入力を行った。第2に、毎月、オンラインや対面での研究会やインタビューを複数回開催し、その成果の一部を9月に開催された、日本農業経営学会分科会で、科研のメンバーとともに報告した(分科会テーマ:農業経営の経営情報の収集と活用をめぐる現状と課題)。 本分科会では、民間信用調査の活用可能性とともに、公的統計の動向についても検討を行った。前者の民間調査の活用可能性については、農業法人の財務構造とその変化、後者の公的統計の検討については、農業経営分析に利用可能な公的データ、民間データについての検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既述したように、23年度は科研の成果発表や科研メンバーによる論文投稿を行ったが、本科研が開始された2020年よりコロナ禍に直面し、全体として、予定していた研究計画が計画通りに進んでいない。過去進めることができなかった課題を23年度にも実施するという状況であった。そのため、科学究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間再延長承認申請を行い。承認されたため、最終年度の次年度も研究を継続することで、本科研の計画を達成することとする。 なお、23年度の活動概要は以下のとおりである。2020年センサスにみる農業法人経営のアウトラインを概観するとともに,農業経営情報の利用に関する課題を整理した。日本の農業経営が活用可能な統計について、公的統計のみならず民間統計の適用可能性について検討を行い、農業経営研究における農業統計の活用実態についても分析を進めた。さらに、日本の農林水産省が実施している農業経営統計調査のうち営農類型別経営統計について、その調査手法の実態と課題、得られたデータの特性について分析を行った。民間統計に関しては、農業法人の民間信用調査結果の有効性の検証を行い,同資料から把握可能な農業法人の財務的特性,農業法人に対する金融機関の貸出の実態について検証した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度に引き続き、第1の課題では、民間信用調査から、農業金融のミクロ的視点の分析に資する情報の検討を行う。また、この科研に実施期間中に構築したデータベースから、農業経営の財務行動及びその成果と統治のダイナミズムを明らかにしていく。 具体的には、民間信用調査の活用可能性とともに、公的統計の動向についても検討を行う。前者の民間調査の活用可能性については、農業法人の財務構造とその変化、後者の公的統計の検討については、農業経営分析に利用可能な公的データ、民間データについての検討を行う。これらの成果は、日本農業経営学会をはじめ、科研メンバーによって論文投稿を行う。他方、第二の課題とした、農業金融問題への新たな分析枠組みの導入可能性の検証では、関連文献の収集を含め、中小企業金融での研究動向の把握と農業金融問題への適用可能性について検討する。 さらに、農業経営における経営情報の収集や分析に関し、農業法人経営者を対象に情報ニーズや分析結果の活用方法についてヒアリング調査を行う。農業経営研究における農業統計の活用実態についての整理分析を進め、学会発表等の公表を行う。また、民間統計の活用可能性について、税理士などの実務担当者と連携しながら検討を進める。民間統計を用いた分析では、農業法人の多様な属性をふまえた、金融行動の分析を行う。
|
Report
(4 results)
Research Products
(7 results)