Project/Area Number |
20K06290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
島 義史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, 主席研究員 (10414781)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | スマート農業 / 農業経営者 / 水田作 / 野菜作 |
Outline of Research at the Start |
農業経営の規模拡大が進む中、スマート農業技術への期待が高まっている。スマート農業技術には農作業の省力化に加え、農業経営者の意思決定を支援し、経営管理の改変につながる可能性があるものが含まれる。今後、関連技術の普及拡大によって、農業経営者のスマート農業技術への対応如何が経営の収益性や持続性を左右する状況が見込まれることから、スマート農業展開下での農業経営者論が求められる。そこで本研究では、スマート農業技術の導入の有無や導入前後での経営管理の実施の違いを分析する。スマート農業技術によって生じる農業経営者の担当職能の差異や変化を析出し、スマート農業技術が経営者機能に及ぼす影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究期間1年目は、大規模水田作経営での自動化農機の導入前後での農作業分担の変化を分析し、自動運転田植機の導入を契機に非熟練従業員に田植を任せる等、農作業分担や作業班編成の変更が対象経営に共通的に生じたことを確認した。一方スマート農業技術(以下、スマート技術)の利用による経営管理面への影響に関する現地聞き取り調査の結果から、スマート技術を活用した従業員育成に関する経営者の意向が従業員規模で異なることが明らかになった。スマート技術が及ぼす作業計画や人員配置、教育といった労務管理面への影響は、経営規模によって相違すること考察された。 また、線形計画法による経営モデル分析を行い、スマート技術の導入効果を試算した。ロボットトラクターをはじめとする農機具費が増加するが、省力化による経営面積の拡大とあわせ、栽培管理支援システムを利用した単収向上を実現することで、目標所得への到達が期待できることが示された。 2年目は、野菜作経営と産地出荷組織を対象とし、スマート技術のうち野菜出荷予測技術の導入効果を分析した。COVID19に係る行動制限下でのWeb会議システムを活用した聞き取り調査の結果から、経営者のミドル的職能のうち作付計画、販売管理、作業管理面への影響を把握した。具体的には、出荷予測から逆算した品種・時期別の作付計画策定の円滑化、確度の高い出荷量見込みの事前把握による販売活動の強化、出荷予測をもとにした収穫圃場の適切な選択といった技術導入による経営者職能の拡充が認められた。 さらに、産地出荷組織による収穫作業受託サービスにおいて、出荷予測技術を活用した収穫機の運用計画の策定及び運用の効率化が図られている。これにより当該品目の作付面積拡大につながっており、スマート技術の導入を通じた経営者職能の外部化の進行がうかがえた。
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