Project/Area Number |
20K06424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
細谷 謙次 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50566156)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 放射線治療 / 分子標的療法 / 免疫チェックポイント阻害剤 / がん幹細胞 / グルタチオン / ミトコンドリア / 放射線耐性 / 遺伝子導入 / イヌ / mTOR / メトフォルミン |
Outline of Research at the Start |
本研究では、正常細胞とCSCのミトコンドリア量、機能、分子レベルでの構造変化、ミトコンドリア関連タンパク質群の遺伝子発現量などを詳細に解析し、CSCの放射線耐性機構の本質を解明することである。また、Metoforminが標的としているミトコンドリア内分子を特定し、ミトコンドリアを標的とした新しいがん幹細胞選択的放射線増感剤の開発につなげたいと考えている。本研究は、従来CSCの放射線耐性機構とは考えられていなかったミトコンドリア機能の特殊性に注目している点において、これまでのがん幹細胞関連の研究とは一線を画する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度においては、2022年度に引き続き放射線抵抗性関連因子および放射線増感戦略の探索を実施し、PD-1/PD-L1経路およびJAK-STAT経路の2つに着目して研究を継続した。PD-1/PD-L1は、免疫チェックポイント分子として知られており、腫瘍細胞の免疫回避機構に深く関与している。2023年度は、放射線照射後に腫瘍細胞のPD-L1発現が増加することに着目し、これがPD-1/PD-L1経路を介して放射線誘発性の抗腫瘍免疫応答を減弱させているのではないかとの仮説の元、臨床例における照射前後での抗PD-L1キメラ抗体の投与による放射線増感効果の検証並びに培養腫瘍細胞株における放射線照射後のPD-L1発現量の変動の調査を行った。結果として、培養犬悪性黒色腫細胞株において放射線照射後および炎症性サイトカイン曝露後には一過性にPD-L1発現量が増加することが観察された。JAK-STAT経路は細胞増殖に関わるシグナル伝達経路の一つであり、我々の研究の過程で放射線抵抗性に関わる因子の一つとして見出された。さらに、同経路をブロックする分子標的薬であるオクラシチニブの併用によって、放射線増感効果があることがIn vitroおよび腫瘍移植マウスモデルを用いた実験によって示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はコロナ禍の影響も薄れ、現在は順調に進行している。2023年度においては、2022年度に引き続き放射線抵抗性関連因子および放射線増感戦略の探索を実施し、PD-1/PD-L1経路およびJAK-STAT経路の2つに着目して研究を継続した。 PD-1/PD-L1は、免疫チェックポイント分子として知られており、腫瘍細胞の免疫回避機構に深く関与している。2023年度は、放射線照射後に腫瘍細胞のPD-L1発現が増加することに着目し、これがPD-1/PD-L1経路を介して放射線誘発性の抗腫瘍免疫応答を減弱させているのではないかとの仮説の元、臨床例における照射前後での抗PD-L1キメラ抗体の投与による放射線増感効果の検証並びに培養腫瘍細胞株における放射線照射後のPD-L1発現量の変動の調査を行った。結果として、培養犬悪性黒色腫細胞株において放射線照射後および炎症性サイトカイン曝露後には一過性にPD-L1発現量が増加することが観察された。これらの結果は学術誌に投稿、掲載済みである。 JAK-STAT経路は細胞増殖に関わるシグナル伝達経路の一つであり、我々の研究の過程で放射線抵抗性に関わる因子の一つとして見出された。さらに、同経路をブロックする分子標的薬であるオクラシチニブの併用によって、放射線増感効果があることがIn vitroおよび腫瘍移植マウスモデルを用いた実験によって示唆されている。本結果は国際学術集会にて発表済みであり、現在学術誌に投稿すべく準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定としては2023年度に見いだされたJAK-STATシグナル伝達経路を標的とした分子標的療法による放射線増感効果について、マウスモデルを用いたIn Vivoの実験を継続して実施する予定である。また、2024年度は2023年度までの研究で得られた知見の論文投稿に主眼を置いてデータ解析および論文発表を行っていく予定である。
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