犬横紋筋肉腫細胞株エクソソームの特性変化を支配するインデューサー因子の探索
Project/Area Number |
20K06438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
佐藤 稲子 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (70633478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 欣哉 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (60344298)
田崎 弘之 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (80231405)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | エクソソーム / 犬横紋筋肉腫 / 5-oxoproline / 犬横紋筋肉腫細胞株 |
Outline of Research at the Start |
エクソソームは様々な細胞によって放出される細胞外膜小胞で、癌や肉腫の診断および予後を予測するためのバイオマーカーとなりうると考えられている。本研究では、犬横紋筋肉腫細胞株が分泌するエクソソームについて、培養条件の違いによるエクソソームの特性変化を明らかにする。さらに、特性が変化したエクソソームを犬正常骨格筋細胞に添加することで、正常細胞への影響を解析・評価する。エクソソームの特性コントロールが可能となれば、エクソソームを介した細胞間コミュニケーションを封じるというこれまでにない新たな戦略によって、エクソソームの予防的・治療的な活用という新領域への発展が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは様々な細胞によって放出され、ほとんどの体液中に見られる細胞外膜小胞である。本研究では、本学で樹立された犬横紋筋肉腫細胞株(CMS-C)が分泌するエクソソームについて、培養条件の違いによるエクソソームの特性変化を明らかし、さらに、特性が変化したエクソソームを犬正常骨格筋細胞に添加することで、正常細胞への影響を解析・評価することを目的としている。 初年度の2020年度は安定したエクソソームの回収とその評価をCD9の定量や電子顕微鏡での観察、ナノサイトによる粒子径の分析等で行った。 2021年度はCMS-Cを低密度、高密度で培養し、細胞と、培養上清から分離したエクソソームの代謝産物の定量を続けた。その結果、細胞中では培養条件が異なっても有意差のなかったグルタチオン代謝経路の中間体である5-oxoproline (5-OP) が、高密度細胞のエクソソームで有意に低値となることを明らかにした。そこで、グルタチオンから5-OPへの代謝に関連する酵素について,細胞内のmRNA発現量を調べたところ、高密度培養でCHAC1が増加する結果を得た。CHAC1は酸化ストレスでmRNAの発現量が増加する酵素であることが知られている。 2022年度には、密度以外の培養条件の一つとして培地のpHを変更して培養した。pH7.4の培地に対して、pH6.8とpH8.0の培地で培養したCMS-Cのエクソソームと細胞の5-OPを定量したところ、エクソソームでは有意に濃度が減少したが、細胞中では変化が見られなかった。同時に分析したCHAC1のmRNA発現量は有意な減少を示していた。これらの結果は細胞中の5-OPの恒常性を維持するためにエクソソーム中への5-OPの取り込み量が制御されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
pHを変更した培地での培養で、グルタチオン代謝に関連するmRNAとエクソソーム中5-OPが変化することを捉えており、この原因が酸化ストレスに起因すると予測を立て、過酸化水素添加によって酸化ストレスを与える実験を計画した。この実験条件を定めるに当たり、過酸化水素が培地中に含まれるカタラーゼにより分解され、与えた酸化ストレスの定量性の評価が難しいことが課題となった。そこで、実験の方針を変更し、細胞中のグルタチオンが枯渇する作用を持つエラスチンを培地に添加する実験系を組む方法に切り替えたことにより、進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
培養中のCMS-Cの培地にエラスチンを添加し、グルタチオン代謝に関連する酵素と、酸化ストレスのマーカーとなるSOD1のmRNAの発現量定量および、細胞の代謝変化とエクソソーム中5-OP濃度を測定する。さらにグルタチオン代謝に関連するmiRNAの解析を試みる。最終的に正常骨格筋細胞に酸化ストレスを与えて変化したCMS-Cのエクソソームを添加し、正常骨格筋細胞について、代謝解析とプロテオーム解析、mRNA(主として腫瘍を促進させる因子を中心とした遺伝子をターゲットとする)の解析を実施し、培養条件によるエクソソームの特性変化による正常細胞への影響を検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)