繊維芽細胞増殖因子FGF5と受容体の相互作用およびアプタマーの阻害機序の解明
Project/Area Number |
20K06529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 泰一 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (40383369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 正隆 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (90322825)
杉山 成 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90615428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | アプタマー / FGF / 線維芽細胞増殖因子 / 構造解析 / 物理化学的解析 / 論理的設計 |
Outline of Research at the Start |
線維芽細胞増殖因子(FGF)はがんをはじめとする様々な疾病に関わることが知られているが,その治療薬としてアプタマー医薬品を開発する.本研究では,X線結晶構造解析,NMR,SPRおよびITCを駆使した多面的な物理化学的解析により,アプタマーがFGF5とFGF受容体(FGFR)の相互作用を阻害するメカニズムを原子座標レベルで明らかにする.また, FGF2に結合するアプタマーについても同様に解析し,アプタマーが標的FGFを厳密に識別するメカニズムを明らかにする.アプタマーの作用原理を明らかにし,アプタマーを論理的に設計することができれば,アプタマー医薬品の開発に大きく貢献することが期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,試験管内分子進化法(SELEX法)を用いて,繊維芽細胞増殖因子FGF5に結合するアプタマーの取得にすでに成功している.このアプタマーは,FGF5に対して特異的に,そして強固に結合する(解離定数Kd = 約0.1 nM)ことが明らかとなっているが,その結合メカニズムは明らかになっていない.そこで本研究では, FGF5とアプタマーの相互作用を原子座標レベルで明らかにし,相互作用メカニズムを明らかにすることを目的としている.相互作用メカニズムを明らかにした後,論理的にアプタマーを改変することを目指している. SELEX法により得られたアプタマーを短鎖化した変異体を作成し,56残基でも結合活性を保持することを明らかにした.また,アプタマーは2つのステム・ループ構造と多岐ループを持つことを明らかにし,多岐ループが結合活性に重要であることを明らかにした.このように短鎖化することによって,立体構造の揺らぎが抑えられ,X線結晶構造解析における結晶化に有効であると考えた.そこで,アプタマーとFGF5を大量に調製して,様々な条件で結晶化を試みたが,結晶は得られなかった.次に,アプタマーをさらに短鎖化したり,DNA配列の導入したキメラ型のアプタマーの作成を試みたが,結合能が低下してしまった.再度,配列を検討し,NMRによるアプタマーの構造の確認を進めている. また, FGF5の受容体であるFGFR1cを調製した.表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた競合実験によって,アプタマーとFGFR1cは競合的にFGF5に結合することが明らかとなっている. FGF5がFGFR1cに結合するメカニズムも明らかになっていないので,FGF5とFGFR1cの複合体の結晶化も試みている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響による大学へ入構制限は緩和されたが,研究資材の価格高騰もあり,当初の計画より,やや遅れている. これまでに,構造解析のためにアプタマーを56残基に短鎖化することに成功している.アプタマーの二次構造予測に基づいて,アプタマーの末端ステムを短くし,SPRを用いてFGF5との結合活性を保持していることを確認した.さらに, T7 RNAポリメラーゼ変異体を用いた転写システムによりアプタマーを大量調製するとともに,化学合成によって修飾アプタマーも調製した.これらのアプタマーとFGF5を用いて,様々な条件で結晶化を試みたが,結晶は得られなかった.そこで,アプタマーの改変体を作成し,それらを用いて結晶化することを計画した.具体的には,アプタマーをさらに短鎖化したり,DNA配列の導入したキメラ型のアプタマーを作成したが,結合能が低下してしまった.再度,アプタマーの配列を検討し,NMRによるアプタマーの構造の確認を進めている. また,研究分担者の堀内は,FGF5の調製のためにGRPタグとカードランビーズを用いた独自の技術を利用しているが,このGRPタグを標的タンパク質に結合させる系を用いて,新しいアプタマーの作成も試みた.GRPタグによりタンパク質を固定化することにより,効率的にアプタマーを取得できることが明らかとなった.GRPタグがRNAと競合的にはたらくことによって,標的タンパク質に対するRNAの非特異的な結合を抑制していると考えられる. さらに,堀内が大腸菌による大量発現系を用いてFGF5およびFGFR1cを大量調製した.現在, FGF5,FGFR1c およびヘパリンの三者複合体の結晶化を試みている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで,アプタマー,FGF5およびFGFR1cを大量調製してきた.構造解析用の試料を大量に調製する方法を確立できているので,今後はNMR解析とX線結晶楮解析に適した試料を探索し,それらを大量調製して,実際に構造解析を進める計画である.アプタマーの変異体も用いて,アプタマーとFGF5の複合体の結晶化を,様々な条件で行う.杉山が開発したゲルを用いる手法で結晶化を効率よく行う.結晶が得られたら,杉山がX線結晶構造解析を行う.X線結晶構造解析には,大型放射光施設SPring-8を利用する. また,結晶化が容易ではないことがわかったので,NMR解析を並行して進める計画である.NMR解析では,NMRシグナルの広幅化や重なりのため,複合体の立体構造決定は容易ではないが,アプタマーのNMR解析から二本鎖構造やループ部分の構造情報を得ることができる.さらに,アプタマーにFGF5を加えたときのアプタマーのNMRシグナルの変化から相互作用部位を特定する.また,FGF5を安定同位体標識してFGF5のNMRシグナルを帰属した後,アプタマーとの結合によりFGF5のNMRシグナルの変化を解析する.FGF5側のアプタマーが結合する面を特定し,アプタマー側の相互作用部位と合わせて,相互作用モデルを作成する. さらに,SPRおよび等温滴定型カロリメトリ(ITC)を用いて,相互作用の速度論的パラメータと熱力学的パラメータを明らかにし, FGF5とFGFRの相互作用をアプタマーが阻害するメカニズムを明らかにする.
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Report
(3 results)
Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Specific Inhibition of FGF5-induced Cell Proliferation by RNA Aptamers2021
Author(s)
Amano, R., Namekata, M., Horiuchi, M., Saso, M., Yanagisawa, T., Tanaka, Y., Ghani, F.I., Yamamoto, M., Sakamoto T.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 11
Issue: 1
Pages: 2976-2976
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] A G-quadruplex-forming RNA aptamer binds to the MTG8 TAFH domain and dissociates the leukemic AML1-MTG8 fusion protein from DNA2020
Author(s)
Fukunaga, J., Nomura, Y., Tanaka, Y., Torigoe, H., Nakamura, Y., Sakamoto, T., Kozu, T.
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Journal Title
FEBS Letters
Volume: 594
Issue: 21
Pages: 3477-3489
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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