Molecular mechanism of biological timer and effect of short peptide pri which regulates it in Drosophila
Project/Area Number |
20K06668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上田 均 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (60201349)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | タイミング / Pri / FTZ-F1 / タイマー / 前蛹期間 / 短ペプチド / 幼虫期間 / FbxO11 / 生物タイマー / 発生タイミング / ショウジョウバエ / エクダイソン |
Outline of Research at the Start |
動物は一定の時間を測定するタイマー機構を有すると考えられるが、その機構や明確な役割はほとんど明らかでない。本研究ではキイロショウジョウバエを材料とし、幼虫の成虫サイズを決めることになる幼虫最終齢の3齢の期間と、幼虫の体が成虫の体へとドラスティックに変化する前蛹期間の2つの時期で、時間を測定する生物タイマーの役割と分子機構を明らかにすることを目的とする。また、短いペプチド因子Polished rice(Pri)について、その発生過程での役割とともに作用分子機構を明らかにすることにより、生物が持つまだ知られていない制御機構を分子レベルで理解することに貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
熱ショックでFlagタグ付きBlimp-1を誘導できるtransgeneを持たせたPri mutant前蛹に熱ショックを与え、Blimp-1を強制発現させたのち、Western blot法でFlagタグ抗体を用いてBlimp-1の消失の様子を観察することでpri mutantではBlimp-1の分解速度が低下することが確認された。これにより少なくともpri mutantで蛹化タイミングが遅延することはBlimp-1の分解速度が低下していることが原因となっていると考えられた。 in situ hybridization法でpri mRNAの発現を観察したところ、前蛹期に脂肪体で発現していることが確認され、蛹化タイマーが存在する脂肪体でPriがタイマーの測定時間を決める要素になっていることが支持された。 Flag tag付きPriおよびMyc tag付きFbxO11をGAL4コントロ―ル下で発現できるコンストラクを作成し、受精卵にinjectionすることでtransgenic fly系統をそれぞれ樹立した。さらに、熱ショックでGAL4を発現できるtransgeneを同時に持つ系統を交配によって樹立し、PriとFbxO11が直接結合するか検証する準備を整えた。 FTZ-F1のアイソフォーム特異的な遺伝子領域のdouble strand RNAをGAL4コントロ―ル下で発現できるtransgeneのコンストラクトを作成し、injectionすることでFTZ-F1 をアイソフォーム特異的にknockdownできるRNAi系統を樹立した。この系統を用いて前胸腺で特異的にFTZ-F1のknockdownを行ったところ、幼虫致死になった。このことから前胸腺での特定のFTZ-F1アイソフォームの発現がショウジョウバエの後胚発生過程で重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Flag tag付きPriおよびMyc tag付きFbxO11をGAL4コントロ―ル下で発現できる系統を樹立し、発現を効率よく行うため、両transgeneを同時に有する系統の樹立を試みた。しかし、運悪く確立できていた系統のtransgeneのゲノム上の挿入部位が近接していたため、かなり努力したが、両transgeneを同時に有する系統の樹立できなかった。そのために、相互作用を調べる解析が予定より遅れた、なお対応策として、それぞれの系統のオスとバージンメスを交配して得られる個体を用いて解析することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
Pri mutantでのBlimp-1の分解速度の低下が観察されたことから、FTZ-F1の発現時期の遅延がPri mutantで見られるか調べ、同定したタイマーの影響で蛹化タイミングが遅延していることを確認する。 Flag tag付きPriあるいはMyc tag付きFbxO11と熱ショックでGAL4を発現できるtransgeneを有する個体を交配によって作成し、その個体の破砕液を用いてPriとFbxO11が共免疫沈殿するか調べることで、相互作用するか調べる。相互作用が観察されれば、PriとFbxO11の大腸菌での大量発現のためのプラスミドを作成し、大腸菌での大量発現を行う。 樹立したアイソフォーム特異的UAS-FTZ-F1 RNAi系統にtub-GAL80ts遺伝子をもつ系統を交配によって作成し、GAL4を前胸腺特異的に発現する系統と交配する。得られた幼虫を3齢幼虫までは18℃で飼育し、続いて3齢幼虫時期の様々なタイミングで一定時間だけ飼育温度を30℃に上昇させることで、3齢の特異的な時期にアイソフォーム特異的にFTZ-F1のknockdownを行い、その影響を調べることで、FTZ-F1の特異的アイソフォームが3齢期のどの時期の発現が重要かを明らかにする。特に3齢期間への影響を調べ、3齢期間決定におけるFTZ-F1特異的アイソフォームの発現の重要性を明らかにする。同様のことを特異的アイソフォームを誘導できるUAS-FTZ-F1系統を用いて行い、3齢の様々な時期でFTZ-F1の前胸腺での一過的な強制発現の影響を調べることで、FTZ-F1の特異的アイソフォームの3齢期の正確なタイミングでの発現が重要かを調べる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)