陸上植物において側生葉状器官の獲得を可能にした根幹原理の探索と解析
Project/Area Number |
20K06682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 北斗 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (30610935)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | Amborella trichopoda / Arabidopsis thaliana / Evo-Devo / RNA-seq / インフォマティクス / 進化発生学 / 葉 / Solanum lycopersicum / 形態 / 進化 / トランスクリプトーム |
Outline of Research at the Start |
本研究計画は、陸上植物の中で最も反映している被子植物において、葉の獲得を可能にした分子機構を世界に先駆けて明らかにしようとするものである。植物において葉などの側生葉状器官の獲得は光合成の効率化をもたらし、放出される酸素が地球の大気組成の変化をももたらした。応募者は、これまでその詳細が全くの謎であった葉の獲得を可能にした分子機構を、進化学的観点から複数の植物群を選択し、分子生物学的手法、インフォマティクスなどを駆使して4年計画で明らかにする計画である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、陸上植物において葉の獲得を可能にした分子機構を世界に先駆けて明らかにしようとするものである。応募者は、これまでその詳細が全くの謎であった葉の獲得を可能にした分子機構を、進化学的観点から複数の植物群を選択し、分子生物学的手法、インフォマティクスなどを駆使して、この課題の理解を進める計画である。 これまでの解析で、現存する被子植物の系統樹上で最基部に位置し、単葉を形成するアンボレラ(Amborella trichopoda)とシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の葉原基からのRNA-seqデータをを比較し、これら2種の葉原基の遺伝子発現プロファイルは、系統的に離れた2種であっても、その基本的な部分に関しては類似していることが示唆された。そこで2022年度は、その発生プログラムが陸上植物の系統樹上でどこまで遡ることができるかを検討した。具体的には、Phylostratigraphic analysisという方法で、葉の発生に関わる遺伝子群の獲得時期を推定した。これにより、アンボレラやシロイヌナズナが含まれる被子植物の葉の発生に関わる遺伝子群は、陸上植物の基部系統の時点でその多くが獲得されていることが示唆された。また、被子植物以外にも、コケ植物や、小葉類、裸子植物などに見られる側生葉状器官についても同様の解析を行ない、それぞれの系統における葉の獲得とその進化過程についても新たな知見を得るべく解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、前年までに行なった単葉を形成するアンボレラ(Amborella trichopoda)とシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の葉原基からのRNA-seqデータを用いて、葉の発生に関わる遺伝子群を同定し、それらの遺伝子群の獲得時期を推定するためのPhylostratigraphic analysisを行なった。これにより、被子植物の葉の発生に関わる遺伝子群の進化に関して、重要な知見を得ることができた。加えて、同様の解析を陸上植物のさまざまな系統群のゲノムデータやRNA-seqデータを用いて行ない、陸上植物における葉の進化過程を理解するための基盤ができたため、進捗状況は、(2)おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、陸上植物の様々な系統にわたる複数の植物種を用いて、葉の発生に関係する遺伝子群の獲得時期を推定するためのPhylostratigraphic analysisを行なった。この中で、いくつかの系統においては、葉の発生に関わる遺伝子群の獲得時期が類似していることを示唆するデータを得ている。そこで、それらがどれくらい類似しているのかを、より詳細に比較を行ない、それぞれの系統で獲得された葉が、同様のメカニズムで獲得されたものであるかを、インフォマティクスなどを用いて解析する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)