ニシローランドゴリラのオスにおける生活史戦略の可塑性とその至近要因
Project/Area Number |
20K06836
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45050:Physical anthropology-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤田 志歩 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (90416272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 英治 東邦大学, 理学部, 准教授 (70527895)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 生活史 / 社会構造 / 雄間競争 / 性成熟 / 内分泌 / ストレス / ゴリラ / 大型類人猿 / 生活史戦略 / 種内変異 |
Outline of Research at the Start |
アフリカ産大型類人猿の社会はメスが分散する父系社会を基本とすることから、人類社会の祖型も非母系であったと考えられている。しかし、大型類人猿の社会構造において種間および種内変異が見られることが次第に明らかとなり、人類の社会進化についてより詳細に検討する必要がある。ゴリラは単雄複雌の社会構造を有するが、しばしば複雄化する。このような社会構造の変異は、オスの移出の有無や時期といった生活史戦略の可塑性によって生じると考えられる。本研究は、ゴリラにおける社会構造の種内変異について、その基盤となる「オスの移出」という生活史イベントに着目し、移出のプロセスに関わる至近要因を内分泌動態から明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ゴリラは基本的に単雄複雌群を形成するが、2種4亜種の間で社会構造の変異が報告されている。その最も大きな違いは群れ内の繁殖オス(シルバーバック)の数である。このような群れ内の繁殖オス数の違いは、オスの出自群から移出の有無とその時期によってもたらされる。マウンテンゴリラでは性成熟に達したオスの50%以上が出自群から移出せずに繁殖するのに対し、ニシローランドゴリラおよびヒガシローランドゴリラではほぼ全てのオスが移出する。本研究は、ゴリラにおける社会構造の種内変異について、その基盤となる「オスの移出」という生活史イベントに着目し、移出のプロセスに関わる至近要因を内分泌動態から明らかにすることを目的とする。そこで本研究では、ガボン共和国ムカラバ-ドゥドゥ国立公園において、ニシローランドゴリラの性成熟前のオスを対象に移出のタイミングと内分泌動態との関連について分析する。 令和4年度は、ガボン共和国において約2週間の現地調査を実施した。人付けされたゴリラ1群を追跡し、対象個体から糞便試料と行動データを収集した。糞便試料は現地でDNA抽出を行い、日本へ持ち帰った。今後、DNA試料の遺伝子解析を行い個体を同定するとともに、糞中コルチゾル濃度およびテストステロン濃度を測定する予定である。これらのデータを用いて、移出前のオスのストレスレベルおよび性成熟段階と、群れ内シルバーバックとの関係性について分析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで海外での現地調査を2年間実施できなかったが、令和4年度は実施することができた。予定していたサンプリングを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はガボン共和国での現地調査を行い、ゴリラの行動および内分泌動態に関する追加のデータおよび試料を収集する。また、これまでに収集したデータの分析を行い、論文としてまとめる。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)
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[Presentation] フタバガキ一次林に生息する野生ボルネオオランウータンにおけるオスの二型成熟と繁殖成功2021
Author(s)
田島知之, 久世濃子, 金森朝子, 蔦谷匠, Renata S. Mendonca, 山崎彩夏, Titol P. Malim, Henry Bernard, Vijay S. Kumar, 井上英治, 村山美穂
Organizer
第37回日本霊長類学会大会
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Organizer
日本生態学会第68回全国大会
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