Project/Area Number |
20K07006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47020:Pharmaceutical analytical chemistry and physicochemistry-related
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Research Institution | Hyogo Medical University (2022-2023) Hyogo University of Health Sciences (2020-2021) |
Principal Investigator |
前田 初男 兵庫医科大学, 薬学部, 教授 (00229311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 効司 兵庫医科大学, 薬学部, 准教授 (00454794)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ポリスルフィド / ポリスルフィド化タンパク質 / FRET型蛍光プローブ / 二波長型蛍光プローブ / 蛍光プローブ / 硫化水素 / 二硫化二水素 / 活性酸素種 / バイオイメージング / 可視化計測 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、研究代表者者らがこれまでに蓄積してきた研究成果から確立している蛍光プローブ設計戦略に基づき設計したプロトタイプ蛍光プローブをプラットフォームとして、生体内チオール類には応答することなく、ポリスルフィドまたはポリスルフィド化タンパク質に特異的かつ高感度に蛍光応答を与える新規プローブの設計開発に取り組む。そして、最適化した蛍光プローブを活用することにより、ポリスルフィドの生体内ダイナミクス解析法ならびにポリスルフィド化タンパク質のオンサイト分析法のプロトコールを確立し、ポリスルフィドおよびポリスルフィド化タンパク質をターゲットとする医学・生理学研究の更なる発展に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、7-hydroxycoumarin-3-carboxylic acidとO-(2-nitrobenzenesulfonyl)-rhodolとの複合体1が、FRET二波長型H2Sn蛍光プローブとして活用できるという知見を得た。しかし、1を再合成し追試したところ、1は大きなストークスシフトをもつ蛍光on-off型の蛍光プローブとしてのみ機能することが明らかになった。 そこで、目的とするFRET二波長型H2Sn蛍光プローブを再設計するため、O-(2-nitrobenzenesulfonyl)-fluorescein (2a)における保護基を再設計し、よりH2Snに対する反応性の向上を図った。これは、2aがH2Snプローブとして機能するためには界面活性剤CATBの添加が必須であるという問題点を解決するためである。そして、この問題はCTABがH2Snの求核性を向上する効果に由来すると考えられた。これを踏まえ、H2Sn反応中心近傍の疎水性を高めるため、O-(2-nitro-5-methyl-benzenesulfonyl)-fluorescein (2b)およびO-(2-nitro-5-isopropyl-benzenesulfonyl)-fluorescein (2c)を合成し、蛍光特性を評価した。その結果、CATB非存在下において、2bはNaSHにはほとんど応答しなかったが、Na2S2に対して高い蛍光応答を示した。一方、2cはNaSHだけでなくNa2S2に対しても蛍光応答を示さなかった。これらの結果から、H2Sn蛍光プローブの設計においてキーポイントなる保護基2-nitrobenzensulfonyl基の5位に適切な置換基を導入すれば、CATB非存在下においても機能するFRET二波長型H2Sn蛍光プローブを開発できると考え、現在、さらに検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19禍の影響を受け、基礎検討に予定したより時間がかかっていたこともあり、ポリスルフィド(H2Sn, n≧2)だけでなくポリスルフィド化タンパク質が複雑に関わるH2Sレドックスシグナルの動態解析に不可欠な蛍光レシオメトリーに利用できるFRET二波長型H2Sn蛍光プローブ7-hydroxycoumarin-3-carboxylic acid/O-(2-nitrobenzenesulfonyl)-rhodol複合体1の設計開発に突貫工事的に取り組んでしまった。その結果得られた1について基礎検討段階で観察された蛍光特性は再現できず、新たなFRET二波長型H2Sn蛍光プローブの設計開発に再着手する必要が生じたため、研究期間を1年延長せざるを得なかった。2024年度は、FRET二波長型H2Sn蛍光プローブの再設計・実用性の検証と同プローブによるポリスルフィド化タンパク質の可視化計測に落ち着いて取り組み、1年延長した研究期間内に予定通りに研究計画を遂行できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに得た知見に基づき、再設計・合成するFRET二波長型H2Sn蛍光プローブのポリスルフィド(H2Sn, n≧2)、ポリスルフィド以外の活性硫黄種および活性酸素種に対する応答性を検証し、そのH2Snに対する選択性を検証する。精査したH2Snに対する高い選択性を担保できるFRET二波長型H2Sn蛍光プローブについてポリスルフィド化タンパク質の可視化測定への適用性を検証するとともに、クマリン部位の水酸基をacetyl化することにより細胞膜透過型・FRET二波長型H2Sn蛍光プローブを開発し、その細胞内H2Snレドックスシグナルの動態解析に適用可能なレシオメトリーを確立する。また、最適なFRET二波長型H2Sn蛍光プローブについて、血液内のポリスルフィド化タンパク質、特に、ポリスルフィド化アルブミンのウェスタンブロッティング法による分離分析における発蛍光試薬としての実用性も検証する。
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