新規S1P輸送体MFSD2Bの創傷治癒における役割と活性制御機構の解明
Project/Area Number |
20K07059
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
小林 直木 摂南大学, 農学部, 助教 (90532250)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | リン酸化 / S1P / 赤血球 / 血小板 / MFSD2B / 創傷治癒 / スフィンゴシン1リン酸 / トランスポーター / リゾリン脂質 / 脂質メディエーター |
Outline of Research at the Start |
糖尿病患者の床ずれに対する根本的な治療薬が無いことが問題となっていますが、床ずれが治る過程のメカニズムは良く分かっていません。本研究では、床ずれが治る過程において、S1Pという情報伝達物質を運ぶタンパク質である「MFSD2B」が、重要な働きをしているかどうかを調べます。そのために、MFSD2Bが働けないようにしたマウスを用いて、床ずれと同様の傷が治る速度や傷の状態を調べます。また、MFSD2Bの働きがどのように調節されているのかを明らかにすると共に、MFSD2Bの働きを調節するような薬剤を探す手法を確立します。
|
Outline of Annual Research Achievements |
赤血球と血小板はどちらもS1P輸送体のMFSD2Bを発現しており、MFSD2Bを介して細胞内のS1Pを細胞外へ放出する。しかしながら、赤血球からのS1P放出が恒常的であるのに対し、血小板からのS1P放出は細胞の活性化に依存する点で大きく異なっている。赤血球由来のS1Pが血漿に含まれるS1Pの主な供給源になっているのに対し、活性化した血小板から放出されるS1Pは、創傷部位において血管新生・細胞増殖・細胞遊走などを促進すると考えられている。 私は赤血球・血小板におけるMFSD2Bの活性制御機構を明らかにするため、MFSD2Bのリン酸化に着目し、生化学的解析を行っている。これまでに、C末端に3xFLAGタグを融合したMFSD2B(MFSD2B-C3FLAG)の最適な精製条件を検討し、MFSD2B-C3FLAGが培養細胞内でリン酸化されることを明らかにした。さらに、MFSD2Bのアミノ酸残基のうち、リン酸化される可能性のある33個のセリン・スレオニン残基をすべてアラニン残基へ置換した場合、MFSD2Bは全くリン酸化されず、S1P輸送活性も完全に消失することを見出している。2022年度は、MFSD2Bを3つの領域(Ser26-Thr181, Thr215-Ser348, Thr367-Ser502)に分割し、それぞれの領域に存在する推定リン酸化残基をAla置換したMFSD2Bの変異体をすべての組み合わせで構築した。その結果、MFSD2BのSer26-Thr181またはThr367-Ser502に存在する推定リン酸化残基をAla置換した場合に、MFSD2Bのリン酸化およびS1P輸送活性はいずれも大きく減少したことから、これらの領域のセリン・スレオニン残基のリン酸化がS1P輸送活性に重要である可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大による自宅待機のため、研究の進捗に遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
MFSD2Bへのシングル変異導入により、タンパク質リン酸化やS1P輸送活性への影響を調べると共に、MFSD2B変異体の細胞内局在を解析する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(6 results)