治療抵抗性を有するがん幹細胞を標的とした抗がん剤としてのシクロデキストリンの開発
Project/Area Number |
20K07085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小野寺 理沙子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任助教 (60720399)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 葉酸修飾シクロデキストリン / オートファジー / 卵巣がん / 葉酸レセプター / シクロデキストリン / 抗がん剤 / がん幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、がん治療のみならず再発・転移を抑制可能な新規抗がん剤の開発を最終目標とし、メチル-β-シクロデキストリンにがん標的リガンドとして葉酸を修飾した葉酸修飾 M-β-CyD (FA-M-β-CyD) が、がん細胞のみならず、がん幹細胞に対しても高い抗がん活性を示すか否かについて検討する。近年、がんの再発・転移の原因としてがん幹細胞仮説が提唱されており、がん治療後に残存したがん幹細胞に対する治療薬の開発が活発に行われている。本研究では FA-M-β-CyD を用い、既存の抗がん剤では成し得なかった、増殖速度の遅いがん幹細胞に対しても高い抗がん活性を示す抗がん剤の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、環状マルトオリゴ糖であるシクロデキストリン (CyD) に葉酸 (FA) を修飾した葉酸修飾メチル-β-CyD (FA-M-β-CyD) を用いて、がん治療のみならず再発・転移を抑制可能な新規抗がん剤の開発を目指す。近年、がんの再発・転移の原因としてがん幹細胞仮説が提唱されており、がん治療後に残存したがん幹細胞に対する治療薬の開発が活発に行われている。しかしながら、既存の抗がん剤の多くは、がん細胞の高い増殖効果に着目した化合物であり、増殖速度が遅いがん幹細胞に対しては十分な治療効果を示さない。一方、シクロデキストリン誘導体であるメチル-β-CyD に、がん標的リガンドとして葉酸を修飾した FA-M-β-CyD は、既存の抗がん剤とは異なる細胞死誘導機構を有する。よって、FA-M-β-CyD が、がん細胞のみならず、がん幹細胞に対しても高い抗がん活性を示すか否かについて検討する。 昨年度までの検討において、FA-M-β-CyD は、婦人科がんの中で最も死亡率が高く、さらに腹膜へ転移した腹膜播種では予後不良である卵巣がん細胞に対して、優れた殺細胞効果を示し、その殺細胞効果誘導に既存の抗がん剤とは異なり、オートファジーの関与が示唆された。そこで、本年度は、腹膜播種モデルマウスを作成し、FA-M-β-CyD の in vivo 抗腫瘍効果を評価した。その結果、FA-M-β-CyD は、腹膜播種モデルマウスに腹腔内投与後、既存の抗がん剤と比較して、優れた抗腫瘍効果を示すことが示唆された。さらに、FA-M-β-CyD は、多臓器への転移を抑制する可能性が示唆された。今後は、FA-M-β-CyD の体内動態および in vivo での抗腫瘍効果誘導メカニズムの解明を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)