脂質異常症患者に対する薬局薬剤師の介入モデルの構築と臨床的アウトカムの評価
Project/Area Number |
20K07138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
向後 麻里 昭和大学, 薬学部, 教授 (70343499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 薬局薬剤師 / かかりつけ薬剤師 / 脂質異常症 / 生活習慣病 / 心血管イベント / 無作為化比較試験 / 薬剤師介入 / 疾病管理 |
Outline of Research at the Start |
脂質異常症は心血管イベントのリスク因子であり、因子の是正は心血管イベントの進展抑制につながる。また、平成28年度から開始された「かかりつけ薬剤師」には、脂質異常症等の生活習慣病の重症化予防に積極的に関与する事が求められている。しかしながら、脂質異常症患者を対象とした薬局薬剤師の積極的指導の効果を検証したものは見当たらない。そこで、脂質異常症患者を対象に、薬局薬剤師が介入モデルに従い積極的に指導し、その臨床的アウトカムを評価する。本研究により、脂質異常症患者の治療効果が維持され、心血管イベント発症リスクが抑制される可能性が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も引き続き、脂質異常症患者を対象に構築したモデルを用いて薬局薬剤師による積極的指導を実施した。デザインは非盲検多施設無作為化比較試験、参加者はスタチンを服用している脂質異常症患者とし、10薬局で募集した。対照群は通常の服薬指導、介入群は通常の服薬指導に加え構築したモデルを用いた指導を4回行った。主要評価項目は吹田スコア(心血管イベント発症リスクスコア)の変化量、LDL・HDL・TG、体重、血圧、副次的評価項目は服薬・栄養・運動・禁煙の管理状況とした。介入群と対照群で主要・副次的評価項目について比較検討した。 10薬局で合計20人の参加者が募集された。基準を満たした17名が登録され、1名が除外、1名が脱落した(介入群9名、対照群6名)。15名の平均年齢は61.5歳、男性が13%、60%がロスバスタチンを服用していた。 主要評価項目の結果示す。吹田スコアの変化量は、対照群で-1.0±4.9であったのに対し、介入群では-5.2±5.0であった(95%信頼区間:-9.9~1.4、p=0.13)。また、吹田スコアの変化率は、対照群では2.5%の減少であったのに対し、介入群では11.8%の減少を示した。また、吹田スコアは、対照群では40.7±7.6から39.7±7.3へ変化(95%信頼区間:-6.1~4.1、p = 0.64)したのに対し、介入群では43.9 ± 5.9から38.7 ± 9.1へ変化 (95%信頼区間:-9.0~(-1.4) 、p = 0.01)した。介入群においては、吹田スコアに基づく冠動脈疾患リスク分類が中リスクから低リスクへ低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂質異常症患者を対象に、薬局薬剤師は介入モデルに従い、積極的な指導を実施した。しかしながら、COVID-19 の影響により、薬局に来局する脂質異常症患者が減少した。また、薬局薬剤師がコロナ感染症に罹患および濃厚接触により業務停止となったため、薬局内の薬剤師数が減少し、半数の薬局が参加者を募集できなかった。従って、研究全般がやや遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、①薬局薬剤師を対象に実施した研修会のアンケート結果、②参加者および薬局薬剤師を対象に実施した介入プログラムに対するアンケート結果を解析する。 ①薬局薬剤師を対象に実施した研修会のアンケート結果:対象者は本研究に参加した薬局薬剤師13名とする。アンケートは15項目について5段階で介入研究終了後に実施した。CS分析を使用し、介入プログラムへの薬剤師研修の影響を検証する。 ②参加者および薬局薬剤師を対象に実施した介入プログラムに対するアンケート結果:対象者は本研究に参加した薬局薬剤師13名、および患者15名とする。アンケートは13項目について5段階で介入研究終了後に実施した。CS分析を用いてアンケート結果を解析し、介入プログラムの有用性を検証する。 ③結果の公表:学会にて発表する。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)