Project/Area Number |
20K07267
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48020:Physiology-related
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
長谷 都 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20450611)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 篤 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10442716)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | 海馬 / 妊娠 / 出産 / AMPA受容体 / 学習 / 記憶 / 子育て / 可塑性 / AMPAR |
Outline of Research at the Start |
先行研究で経産ラットは、未経産ラットと比較し空間学習の成績が良好であり、その発現機序に、AMPA受容体のサブユニットの構成の変化によるシナプスの伝達効率の変化が関与する可能性も示唆した。本研究目的は、その機序に軸索再生阻害因子Nogoが関与しているのかを、明らかにすることである。生殖イベントでAMPA受容体のサブユニットの構成が変化し、海馬シナプスの伝達効率の変化させることで学習機能が向上に、軸索再生阻害因子Nogoの作用低下による再生阻害の解除が関与する、という仮説をもとに、AAVによりNogoまたはNogo受容体を抑制させ、行動学的、免疫組織学的、電気生理学的、生化学的な手法で解析を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠、出産、子育て後から長期間維持される、学習、記憶における行動変化において、経産ラットは、未経産ラットと比較してY迷路テストにおける空間学習にて良好な成績であったのは、海馬内のシナプスの機能の変化によるものであると仮説を立てた。そこで、海馬内のシナプスの機能の変化(シナプスの伝達効率の変化)に着目して、電気生理学的、生化学的手法を用いて解析を行った。経産ラットは、未経産ラットと比較してAMPA受容体サブユニットGluR2の発現が多く、AMPA受容体を多く移行させることを、海馬CA1の単一細胞におけるパッチクランプ法を用いて明らかにしている。詳細なメカニズムを明らかにするため、iTRAQ法 を用いて海馬内タンパク質の存在量を網羅的に比較したところ、軸索伸長抑制因子Nogoが減少していることが示唆された。Nogoの発現をウエスタンブロットで確認したところ、経産ラットで発現が低いこと、Nogoを産生しているオリゴデンドロサイトマーカである、Olig2も免疫染色にて未経産ラットと比較すると経産ラットで発現が低いことが明らかとなった 。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際学会でコロナ禍以前は多くの有益な情報が収集でき,実験によるトラブルシューティングに直接役立っていた。コロナ禍で共同研究者とコンタクトをとることも以前より難しかった。この機会減少が、本研究課題遂行の遅延の理由であるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
遅延している研究内容である、AAVおよびRNAiを投与し、行動学的、電気生理学的、免疫組織学的、生化学的な手法にて解析を行う。ラット腹側海馬に、AAV9(中枢神経に顕著に感染が認められる)による、NogoもしくはNogo受容体に対するRNAi (siNgR)を発現させるため(対照群はscRNA)脳内投与する。 未経産子育て無し群の海馬機能が、経産子育て群同様の変化(空間学習の成績が良好かつAMPA受容体のサブユニットの構成の変化)を示すのか、逆に、AAV9によりNogoやNogo受容体をover expressionさせた経産子育て群の海馬機能が、未経産子育て無し群同様の変化、つまり空間学習の成績およびAMPA受容体のサブユニットの構成の変化がキャンセルされるか否かを検討する。また、結果を国際誌に投稿予定である。
|