神経内分泌による環境変化に応じた体温維持の制御機構
Project/Area Number |
20K07271
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48020:Physiology-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大歳 維知子 (西島維知子) 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (70600394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝博 明治大学, 農学部, 専任教授 (00581985)
吉崎 嘉一 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 主任研究員 (50393161)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | セクレチン / 体温調節 / 概日リズム / 摂食 / 体温の日内変動 / 褐色脂肪組織 / 適応熱産生 / 寒気環境 |
Outline of Research at the Start |
環境の季節変動への適応性の解明は、生命の維持機構を知る手がかりになるだけでなく、季節性の疾患憎悪の防止や季節性うつ・感情障害などの特有疾患の発症と治療へ結びつく重要な課題の一つと考えられる。恒温動物は環境の季節変動に対応して体温の恒常性を維持し、なかでも寒気環境の適応反応(適応熱産生)は褐色脂肪組織の発熱反応が中心的な役割を果たすが、その分子機序は未だ明らかになっていない。本研究では、脳・消化管ホルモンであるセクレチンが褐色脂肪組織の熱産生制御を介して、いかに寒冷環境下や体温の日内変動に影響を与えるか明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
環境の季節変動への適応性の解明は、生命の維持機構を知る手がかりになるだけでなく、季節性の疾患憎悪の防止や季節性うつ・感情障害などの特有疾患の発症と治療へ結びつく可能性があり、生命科学の重要な課題の一つと考えられる。なかでも冬への進行に際した寒気環境の適応反応(適応熱産生)は褐色脂肪組織を介して行われているが、詳細なメカニズムは明らかになっていない。近年、ペプチドホルモンであるセクレチン(Sct)が食事誘導性の褐色脂肪組織の熱産生の中心的な役割を果たすことが明らかになってきた。従来褐色脂肪組織の発熱反応は自律神経経路により誘導されると考えていたが、神経内分泌系の作動機序が初めて示唆された。そこで申請者は、セクレチンが褐色脂肪組織を介して発熱反応を調節する作動機序が、食事誘導性だけではなく、寒冷環境変化や体温の日内変動に対しても同様に作動すると考え、検証するために飼育環境とデータ取得の条件設定を進めてきた。今年度は、平常温度におけるSct受容体(R)変異マウスの体温の日内変動解析を実施し、低温条件での実験装置・測定環境を完成させることができた。さらに、セクレチンによる日内変動での摂食行動の制御を調べるため、SctR変異マウスに標準的なプロトコールの制限給餌実験を行なった。その結果、野生型と同様にSctR変異マウスにおいても、昼4時間の給餌に対して給餌予知輪回し活動が観察され、制限給餌後の絶食期間においても給餌予知活動が認められた。これらのことは、セクレチンシグナリングは給餌予知リズムを司る食餌性概日振動体と強く関わっていないことを示唆しており、同結果を学術雑誌に発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
職位・勤務体制の変更(非常勤講師への変換)により研究の進捗に遅れが生じた。また、実験動物施設の改修のため、暫定的な飼育施設にマウス(SctR変異マウス、野生型マウス)を移設したが、飼育スペースの都合により、マウス数を減少せざるを得ず、遅れを生じた。 この二つの遅れを取り戻すため、昨年度、研究分担者の愛知県医療療育総合センター発達障害研究所・障害モデル研究部の吉崎嘉一博士の実験動物施設に当該マウスを移設し、飼育を開始した。さらに当該施設においてもマウスの体温調節を解析できるように、環境整備を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度立ち上げた分担研究者の施設におけるマウス飼育・研究解析と、申請者の実験動物施設におけるマウスの飼育・研究解析を通して、SctR変異マウス、野生型マウスにおける常温および低温条件での体温の日内変動データの取得完了と解析を目指す。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)