過栄養で誘導される視床下部炎症形成におけるミクログリアのダイナミズムの解明
Project/Area Number |
20K07355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
付 友紀子 名古屋大学, 環境医学研究所, 学振特別研究員(RPD) (20381890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅波 孝祥 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50343752)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 視床下部 / 慢性炎症 / ミクログリア / 過栄養 |
Outline of Research at the Start |
慢性炎症は肥満の病態基盤を成すが、特にエネルギー代謝調節中枢である視床下部において、末梢臓器に先行して慢性炎症が生じ、肥満の病態形成に寄与することが明らかになってきた。しかしながら、視床下部炎症の時空間的動態は未だ不明の部分が多い。本研究では、視床下部における免疫担当細胞(ミクログリア・マクロファージ系)の時空間的動態と視床下部による末梢臓器の炎症制御意義を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CX3CR1-CreERT2マウスを駆使してミクログリア・マクロファージを時空間的に標識、あるいは制御することにより、1)視床下部におけるミクログリ ア・マクロファージの時空間的動態、2)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)病態形成における視床下部炎症の意義の解明を目的とする。 今年度は、視床下部の機能破綻による末梢臓器への関連作用の解析の目的で、①高脂肪食負荷による視床下部脳血液関門(BBB)機能破綻の病態解明、②非アルコール性脂肪肝炎(NASH)病態形成における、中枢自律神経経由の肝マクロファージの制御機序の解明、および③ミクログリア特異的にジフテリア毒素受容体を発現させた遺伝子改変マウス(Siglech_DTRマウス)を用いて視床下部炎症の制御を試みた。 まず、高脂肪食負荷4週間で視床下部BBBの破綻を色素エバンスブルー尾静脈投与マウスで確認できて、高脂肪食負荷による視床下部慢性炎症の惹起はBBBの機能破綻に繋がる可能性が示唆された。また、肝細胞障害性の化合物である四塩化炭素の投与により肝細胞死が誘導される一過性炎症モデルで、肝障害回復に働く肝臓に浸潤したマクロファージはアドレナリン受容体アゴニストによって死細胞を除去する能力が促進されることを見出した。即ち、自律神経系はNASH病態形成過程に重要な役割を果たす肝臓マクロファージの機能に及ぼす影響は病態形成の一因である可能性が示唆された。最後に、ジフテリア毒素をSiglech_DTRマウスに、腹腔内または脳室内投与により視床下部でのミクログリア除去効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、まず、CX3CR1-CreERT2:tdTomato floxマウスを用いて、視床下部においてミクログリアとマクロファージを区別できること、肥満の過程で各神経核に特徴的なマクロファージ系細胞の細胞数や活性化状態に変化が生じることを見出した。特に、従来知られていなかった室傍核(PVN)におけるマクロファージ系細胞の動態について、脳血管関門を欠く弓状核から離れているにもかかわらず、予想外にマクロファージ浸潤が観察されたことなど、重要な知見を得ている。室傍核PVNではより長期間(8週以上)の高脂肪食負荷しかミクログリアの活性化が認められなかったが、高脂肪食負荷4週間で、PVNで血管周辺マクロファージの形態変化が観察された。また、高脂肪食負荷4週間で視床下部BBBの破綻を色素エバンスブルー尾静脈投与マウスで確認できた。これらのことにより、血管周辺マクロファージの形態変化はPVNでのBBB機能破綻およびミクログリアの活性化に関係する可能性が示唆された。 自律神経の中枢となる視床下部PVNの機能破綻は、自律神経系を経由して末梢臓器の炎症に影響を与えることが考えられる。これを検証するため、まず、肝細胞障害モデルで肝臓に浸潤したマクロファージはアドレナリン受容体アゴニストによって死細胞除去能が促進されることを見出した。また、ミクログリアを特異的に消去できるジフテリア毒素受容体を発現させた遺伝子改変マウス(Siglech_DTRマウス)モデルを導入した。そのマウスを用いて、視床下部の炎症制御による肝臓マクロファージ機能への影響を解析しているところである。 予定通り、過栄養で誘導される視床下部炎症形成におけるミクログリアの解析に並びに、その機能と末梢臓器ヘの影響まで展開していることから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の2点を中心に進めていきたい。 1)高脂肪食負荷による視床下部のBBB機能破綻における血管周辺マクロファージとの関係を明らかにするため、FITC標識デキストランを用いて詳細な評価を行う。 2)高脂肪食誘導性NASHモデルにおける視床下部でのミクログリア除去効果を、Siglech_DTRマウスを用いて検証する。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)