非共有結合性阻害剤の探索を目的としたペニシリン認識酵素のX線結晶解析
Project/Area Number |
20K07484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
額賀 路嘉 城西国際大学, 薬学部, 教授 (20251150)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 抗生物質 / 薬剤耐性 / カルバペネマーゼ / メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 / X線結晶解析 / ARM / 抗生物質耐性 / X線結晶解析 / β-ラクタマーゼ / ペニシリン結合タンパク質 / MRSA / PBP / 構造生物学 / 抗菌薬 / 細胞壁合成阻害剤 |
Outline of Research at the Start |
β-ラクタム系抗生物質は、ペニシリン結合タンパク質(PBP)に対する優れた阻害剤であり、中でもカルバペネム系薬は耐性要因であるセリンβ-ラクタマーゼにも優れた結合性を示す。しかしながら、これらは、活性中心と共有結合で結ばれたアシル中間体を阻害形態としており、アミノ酸置換などの変異により、耐性菌が生まれやすい。 本研究では、MRSAの耐性要因であるPBP2aと代表的カルバペネマーゼであるBurkholderia multiviorans由来PenAを材料にしてX線結晶構造解析、分子動力学計算、化合物データベース検索などを行い、既知阻害剤の阻害メカニズム研究と新規阻害剤探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に行った研究の概要を示す。2022年度は、2021年度から引き続きPBP2aのX線結晶構造解析を行っているが、予想以上に難航している。というのは、昨年度報告した2.1Å-2.2Å程度のデータはとれるようになったのだが、これを構造解析してみると、既に報告されているデータでは上手くトレースできている領域が自分たちではうまくできないということが続いている。年、4回のシンクロトロンのたびに、条件を変えたり、βーラクタム剤を付加するなど試行錯誤しているが現状上手くいいってはいない。 カルバペネマーゼのプロジェクトは比較的順調に推移している。S70G, E166A, Q変異酵素の解析は良好な結果が得られている。S70Gではカルバペネマーゼの基質となるイミペネムなど4剤との複合体を解析している。ミカエリス複合体の構造解析を期待していたのであるが、得られた構造は、加水分解されβ-ラクタム環が開裂した構造であった。2022年度最後には、ミカエリス複合体を得るべく、ソーキング法にて複合体形成を試みたが、現在の所うまくいっていない。2023年度はミカエリス複合体が難しい場合、現在のデータだけで論文発表を考えたいと思う。 また、E166Aと E166Q変異酵素のイミペネム複合体の構造解析では、本来アシル中間体で停止することが期待され、その通りの構造が得られたのであるが、変異体により、異なる形態であった。現在、分子動力学計算を行っており、近々に結果を発表したい。 PBP2aの研究の進捗が思わしくないため、このプロジェクトを科研費期間後も続けることは前提として、別プロジェクトとして、PenR(PenA発現のための調節タンパク質)及びクラスCβラクタマーゼ、カルバペネム複合体の構造解析を行う旨、今後の研究の推進方策に記載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
PenAプロジェクトは進んでいるものの、S70G変異酵素複合体の構造解析および、E166変異酵素の複合体の構造解析を昨年度中に論文を発表する予定と書いたのに発表できていない。トラブルがあったにせよ遅れているため、今年度は本申請最終年でもあり、発表したい。 PBP2aに関しては、結晶化に問題があることについてはすぐに解決できない可能性もある。しかしながら、2.1Åのデータを用いてでも解析を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
PenAプロジェクトに関しては、現在持っているデータ、S70Gのイミペネム複合体解析および、E166A,E166Q変異酵素の実験結果を論文発表に持っていくことを優先的に作業を行う。さらにはS70G変異酵素を利用したミカエリス複合体を補足することを試みる。また、パニペネムとPenAの相互作用に生化学的見地から興味深い結果が得られたと共同研究者から報告があり、E166AもしくはS70G変異酵素を利用して複合体の構造解析を行う予定である。 PBP2aに関しては、結晶化条件の最適化を行うと共に、現在得られている構造情報に基づいて精密化を行う。また、可能な限りビアコアを稼働させて阻害剤親和性の定量化を行っていく。 また、PBP2aの研究遂行が予想外に立ち後れてしまった場合には、PenAを発現させるためのPenRタンパク質の構造解析およびクラスCβラクタマーゼのカルバペネム複合体の構造解析をもって、これに変わる研究内容としたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)