Project/Area Number |
20K07714
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51010:Basic brain sciences-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大木 紫 杏林大学, 医学部, 教授 (40223755)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 身体所有感 / 経頭蓋磁気刺激 / ラバーハンド錯覚 / 固有感覚ドリフト / 脳波 / ニューロフィードバック / デコーディング |
Outline of Research at the Start |
身体所有感は「自分の身体が自分に所属している」という感覚で、健常者では当然の身体意識である。しかし、例えば脳卒中の片麻痺患者では麻痺肢に対する身体所有感が低下し、不使用につながることが知られている。本研究では身体所有感をモニターし改善することを目的に、多チャンネル脳波を用いて身体所有感の脳活動マーカーの同定を行う。更に、マーカー部位に対し、経頭蓋磁気刺激、直流電気刺激、neurofeedbackで介入し、マーカーと身体意識の因果関係を明らかにすると同時に、介入法を確立する。本研究では、脳波によるマーカーの同定から介入まで統一的に行うことで、そのまま臨床応用できる方法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
反復経頭蓋磁気刺激法の実験を継続し、右運動前野腹側部刺激を追加した。被験者の左手にラバーハンド錯覚を起こし、その後1Hzの反復経頭蓋磁気刺激を20分間加えた。左右の運動前野は、脳波電極のFC5とFC6の位置とした。現在まで、左刺激を12名、右刺激を9名の健常被験者に行った。評価項目として、2種類の固有感覚ドリフト(見えない自分の手の位置判断)、身体所有感に関する質問紙(「ラバーハンドが自分の手のように感じた」等4問)とした。これまでのところ、刺激により左右とも固有感覚ドリフトの減少を観察した(平均4.2cmと5.1cmの減少、ラバーハンドと手の位置は13㎝解離)。身体所有感に関する質問紙でも、どちらも主観の低下を観察した(どちらも6点満点中1点の低下)。一昨年度脳波で観察した、左脳の優位性は見られなかった。しかし、コントロールの質問(「左手がなくなったように感じた」では、左脳刺激のみで有意な低下が見られた。以上の結果は、第46回日本神経科学大会と東北大学 電気通信研究所共同プロジェクト研究会で発表を行った。 また、身体所有感を用いたリハビリテーション法の有効性を検証するため、仮想現実(VR)を用いた実験を行った。被験者は筋電図パタンのデコーディングで得られた結果によりアバタを操作する課題を与えられ、操作するうちにアバタに対する身体所有感の上昇が観察された。まず、健常被験者10名でVR操作前後の錐体路の伝導効率の変化を検討した。その結果、操作後40分程度錐体路刺激による誘発筋電図の振幅が増大することが観察された。アバタの動きを見せる等のコントロール条件では、この持続的な増大は観察されなかった。従って、運動出力と視覚入力(アバタの動き)を同期して与えることで、皮質内に可塑的な変化が生じることが示唆された。現在は、慢性期の脳卒中患者でVR使用の効果を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で、2年間の延長を行った。しかし、2023年度から被験者の公募を開始し、順調にデータが蓄積してきている。今後は、被験者数を15~20名程度に増やす計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
経頭蓋磁気刺激による介入実験は、被験者数を15名以上に増やし、結果を確認する。その後、論文にまとめる計画である。また、得られた結果は、日本体力医学会関東地方会の招待講演と、日本生理学会シンポジウム(申請中)で発表する予定である。
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