Project/Area Number |
20K07719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51020:Cognitive and brain science-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 千秋 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (40644034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 脳磁図 / 自閉スペクトラム症 / 母子インタラクション / 表情解析 / 脳内ネットワーク / 脳磁図(MEG) / 社会性 / 親子 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、小児・成人用脳磁図(MEG)同時計測システムを用いて、親子の自然な交流場面の脳活動を測定し、非線形理論やネットワーク理論に基づく解析アルゴリズムにより2者インタラクション場面の脳内神経ネットワークの理解を目指す。スモールワールド性、脳の機能統合、中心性などを評価する指標を用いて、脳内ネットワークの可視化、および表情解析を中心とした行動解析の両側面から対人インタラクション場面の脳計測を試みる。この研究は、特に特異的な対人インタラクション行動を中核症状とするASD者のコミュニケーション特性の理解と支援システムの構築に貢献すると考えられ、臨床応用の可能性も大きい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自閉スペクトラム症(ASD)児に特異的な対人交流特性を脳生理学的指標から捉えることである。世界唯一の、小児・成人用脳磁図(MEG)同時計測システムを用いて、親子の自然な交流場面の脳活動を測定し、非線形理論やネットワーク理論に基づく最先端の解析アルゴリズムにより2者インタラクション場面の脳内神経ネットワークの理解を目指す。非侵襲的で静音性に優れたMEGを用いた計測により、自制が長時間保てない乳幼児や感覚過敏のあるASD児でも自然な状態で検査が可能となる。予備実験のサンプルデータから実験プロトコルの実行可能性を確認し、複雑性を指標としてASD児と定型発達(TD)児の比較検討を始めている。この研究は、ASDにおける実践的な生物学的指標の確立、乳幼児期における早期診断、さらにはコミュニケーション支援システムの構築に大きく貢献すると考えられ、臨床応用の可能性も大きい。 これまでに取得したデータを用いて、ASD幼児と定型発達幼児の比較研究を行っている。ASD幼児20名と定型発達幼児25名の、親子見つめ合い場面の脳活動を比較したところ、Right fusiform gyrusとRight superior temporal sulcusの領域における視覚性のガンマ活動(61-90Hz)がASD群で有意に低下していることがわかった。2023年2月、この解析結果をまとめた論文がPsychiatry and Clinical Neurosciences (PCN) Reports誌から出版された。この論文が日本精神神経学会の2023年PCN Reports最優秀論文賞を受賞した。 さらに現在表情解析を行い、子どもの表情とASD特性の関連について結果をまとめ論文化作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MEGデータ収録および表情解析はすでに終えている。現在は学会・国際学会誌への発表を準備している段階にあり、順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに小児データに焦点をあてて自閉スペクトラム症群と定型発達群の視覚性ガンマ活動の比較を行ったが、今後は母データを合わせて解析する。母子の脳間ネットワークを評価する指標を、グラフ理論を用いて検討し論文化を目指す。また、行動指標として課題遂行時の表情解析を行い、ASD特性や視覚性ガンマ活動の強さとの関連を検討する。
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