Project/Area Number |
20K07830
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
古川 勝敏 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (30241631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 滋 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (00311564)
住友 和弘 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (10447104)
大原 貴裕 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70443504)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 災害医療 / 高齢者医学 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、東日本大震災後、住居を失い応急仮設住宅から災害復興住宅に転居し生活を継続している高齢者の健康状態、日常生活動作(Activity of Daily Living: ADL)、さらに認知機能が、災害復興住宅への転居に伴い、足掛け3年の間にいかに変化するかを調査し、今後起こりうる新たな災害時におけるより良い高齢者のマネージメントプログラムを作成することである。今回の研究では震災後の「亜急性期」~「慢性期」~「復興完了期」に当たる時期の仮設住宅生活から災害復興住宅への転居がいかに高齢者の日常生活動作および認知機能低下、身体のフレイルに影響を与えるかという調査をする。
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Outline of Annual Research Achievements |
被災後の高齢者の認知機能変化の研究は殆どなく、あったとしても後ろ向きのものばかりである。今後、日本国内各地で大地震の発生が予測されており、それらに対してより適切な対応のために、今回の震災における前向きコホート研究で得られる情報は不可欠なものであり、今しかできないプロジェクトである。本研究では被災地において初年度にフィールド調査を行い、1年ごとに認知機能の変化、認知症の進行を解析する。また調査において被調査者の健康および生活状態を詳細に調査する。認知機能は「物忘れ相談プログラム」を用いて評価する。研究中にもしも認知症をはじめとした何らかの疾病が疑われた際には、適切な医療機関を受診する旨のアドバイスを行う。本研究で得られる「災害後の復興住宅での生活が日常生活動作と認知機能に及ぼす影響」についてのエビデンスは、今後の災害対策において唯一無二の貴重なスタンダードになる事であろう。アンケート調査票、研究の説明文、についての作成を進めた。アンケート研究参加同意書を郵送し、2-4週間後、調査者が仮設住宅の各戸を訪問し、被調査者に十分な説明を行い、インフォームドコンセントを得た上で診査票を回収した。その際、同意書の不備、アンケートの記載漏れ等をチェックし、必要があれば完成までの補助を行った。(1)調査者は訪問時に被調査者の握力(右、左)を計測した。(2)簡易認知機能検査は「物忘れ相談プログラム」(日本光電社 MSP-1000とMSP-1100)を用いて行っている。このプログラムはコンピューターのタッチパネルを用いて行う高齢者にも取り扱いの容易なプログラムである。質問の内容は、認知症スクリーニング検査として世界で最も汎用されているMini-Mental State Examination (MMSE)の主要項目を網羅しており、認知症発症のスクリーニング検査法として非常に有用な装置である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分な数の被検者に研究に参加していただいている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に参加することにより期待される利益および被験者に起こりうる危険性ならびに必然的に伴う不快な状態を十分に説明し、研究を遂行していく。本研究は東北医科薬科大学等から支援活動を行っている医師が主体となり、石巻市立病院、こだまホスピタルと連携して行われているため、本研究の遂行により、健康状態に問題、不安がある場合に迅速に適切な医療支援、医療機関受診のアドバイスが得られることが期待される。また、得られた知見を基に石巻市民に対し有益な医療に関する情報や方策を提供・提言していく。一方、本研究はアンケート調査とコンピューターを用いた簡易認知機能検査と一般検診だけなので、特段の危険や侵襲は伴わない。しかしながら、本研究に参加することにより地震、津波、家族や家屋の喪失を想起するきっかけとなり、一時的に心身が不安定になる可能性がある。研究参加中に大震災の状況が想起され心身が不安定になった場合には、仮設住宅サポートセンターの職員や保健師、看護師に連絡をとるように記載し、そのようなケースに適切に対応できるようにする。本研究により対象者に関わる個人情報が不適切に管理されれば情報が漏洩する可能性があるため、本研究では情報の管理に細心の注意を払い研究を継続する。
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