MC法とSuperPosition法を組合せたBNCT線量計算アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
20K08078
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 卓志 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (60444478)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | BNCT / 治療計画 / 線量計算アルゴリズム / モンテカルロ法 / スーパーポジション法 / Removal Diffusion理論 / 拡散モデル / 拡散方程式 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のための新しい線量計算アルゴリズムの開発を目指す。従来からBNCTの線量計算に用いられてきたモンテカルロ(MC)法とX線治療において広く採用されているSuper Position(SP)法を段階的に組合わせた計算手法を提案する。中性子の減速過程をMC法で計算し、減速後の拡散過程をSP法における線量カーネルとしてモデル化することで、MC法のみを用いる従来法に対して線量計算の高速化と高精細化を図る。本研究では計算手法の最適化および精度検証を通して有用性を実証する。線量評価の精度の向上が期待され、より安全かつ効果的なBNCTの実現に貢献できるものと考える。
|
Outline of Annual Research Achievements |
加速器中性子源を用いたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の保険診療の開始に伴い、照射条件を決定する治療計画の効率化が重要な課題となってきている。BNCTの治療計画では、線量計算アルゴリズムとしてMonte Carlo(MC)法が従来から用いられてきた。MC法は体内での中性子の挙動を正確に模擬できるが、高精細な線量分布を得るためには膨大な計算時間が必要であり、治療計画におけるボトルネックとなる。本研究では線量計算の高速化を目指して新しいアルゴリズムの開発を行う。入射中性子が生体内の原子との衝突により減速する過程をMC法で計算し、減速後に原子・分子と熱平衡に至る過程をモデル化することで計算速度の向上を図る。本研究では、アルゴリズムの最適化および精度検証を通して、その有用性を実証する。 2023年度には、熱化過程のモデルとしてRemoval Diffusion理論に基づいた拡散モデルについて詳細な検討を進めた。モデルの実装方法に改良を加えることで、計算メッシュサイズの高精細化を行うことが可能となった。また、高精細化された体系においても、従来のMC法と比べて十分に高速な計算が可能であることが示された。同時に、頭頚部癌に対するBNCTを模擬して頭部形状の水ファントムを用いた実験的検証を行い、単純な形状のファントムに対してだけでなく、実際の状況に近い複雑な形状のファントムに対しても拡散モデルが有効であることを示した。今後、拡散モデルを拡張し、更なる計算精度の向上を図る予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度から進めてきた計算アルゴリズムの構築はほぼ完了し、拡散モデルの導入により、当初予定していた以上に完成度の高いものとなった。2023年度には拡散モデルに関する成果を論文として公表することができた。また、当初2022年度に計画していた複雑な形状のファントムを用いた実験も2023年度に実施することができた。計算結果と比較することで検証を進めているところである。実験装置の利用時間の制約等による研究の遅延はほぼ挽回でき、当初の研究計画の完了まであと少しの段階に来ている。しかしながら、新型コロナウイルス感染防止策に加えて国外情勢の影響により、海外で開催される学会には参加できておらず、成果を十分に公表できていない。以上の状況から、やや遅れていると判断し、研究期間を1年延長して、成果の公表を含めた課題の遂行を目指すこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は研究期間をさらに1年延長して実施する。最終年度となる2024年度は、国際学会を含めた学会等に参加し、本研究で得られた成果を積極的に公表していく計画である。さらに拡散モデルの改良に関する成果を論文として公表する予定である。
|
Report
(4 results)
Research Products
(15 results)