Project/Area Number |
20K08129
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井上 大 金沢大学, 附属病院, 講師 (00645129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 秀浩 金沢大学, 附属病院, 講師 (00436825)
堀 寧 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90781302)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | CT / MRI / 膵癌 / 腫瘍内微小環境 / 画像バイオマーカー / 切除後予後予測 / 膵管癌 / 微小環境 |
Outline of Research at the Start |
膵管癌は膵臓に発生する悪性腫瘍のなかで最も頻度が高く、予後が不良であることが知られている。完全切除が唯一の根治治療になるが完全切除後にも早期再発、転移が生じ、術後予後を悪化させる因子となっている。膵癌の腫瘍内微小環境において特に予後と関与する因子として癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblast; CAF)が知られており、このCAFの多寡が切除後再発や転移の有無に大きく関与する。本研究では造影CT, MRIといったこれまでの画像検査の視覚的評価に加え定量評価を組み合わせることにより、CAFの量の推定、切除後再発や転移の予測が可能な画像バイオマーカーの確立を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌の唯一の根治治療は外科的完全切除であるが根治切除を目指した際に残存腫瘍が存在する、もしくは完全切除後の早期再発、転移が少なからずみられ、予後不良の原因となっている。膵癌完全切除を達成するにあたり、腫瘍サイズや進展度、特に腫瘍の神経叢浸潤および血管周囲浸潤の評価が重要であるが加えて腫瘍の分化度、腫瘍内微小環境(間質量、Cancer-associated fibroblast)の評価、腫瘍マーカーが関与している可能性がある。特に腫瘍内微小環境(腫瘍内間質量)やCA19-9は術後再発、転移のマーカーとなっている可能性が示唆されている。腫瘍マーカーは採血で評価可能である一方でこれまで腫瘍内間質量の評価は不可能であった。この腫瘍内間質量を画像診断で評価を可能とし、術後予後予測のための画像バイオマーカーを確立するために令和4年度に引き続き、以下の研究を行った。 1.令和5年度は令和4年度に引き続き症例収集および解析を行った。具体的には術前の化学療法を行わずに外科的治療を行った症例の集積を中心に行った。ガイドライン改定後には基本的に切除可能症例にも術前化学療法が行われることが多くなったため、新規症例の増加はなかったものの共同研究先である名古屋市立大学病院および金沢大学附属病院の北陸関連施設から症例を追加可能であった。これらの症例については術前画像、腫瘍マーカーを含めた採血データおよび術式情報、予後(生存や再発の有無や再発時期)に関してのデータを集積出来た。また集積された画像検査に関しては放射線科医による視覚的評価(進展度診断および視覚的な内部性状評価)を行い、データベースに追加した。 2.また病理標本に関しては未染色標本の集積が出来たものから逐次HEおよび免疫染色(α-SMA、ポトプラニンなど)を行い、デジタルデータ化を行った。本年度研究の過程で下記論文発表および学会講演を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は令和2-4年度の3年間での研究計画であった。コロナ禍での症例集積の遅れから令和5年度も引き続き症例集積とデータベース化を行う必要があった。コロナ禍においては膵癌の外科的切除症例が協力施設自体で少なかったことと術前化学療法が推奨される流れより本研究の対象症例である術前化学療法を行わずに切除された症例自体が減少したことが原因と考えられる。ただ、令和5年は共同研究先である名古屋市立大学病院および北陸関連施設、並びに本学(金沢大学附属病院)で過去を遡っての症例検索が可能であり、症例の集積を進めることが出来た。またこれまで集積してきた症例および画像、病理データの集積、予後や術後化学療法を含めた臨床情報は修正した予定通りに集積可能であり、画像に関しては逐次視覚的解析および腫瘍内性状(テクスチャを含む)の解析を進行させることが出来ている。病理標本に関しては本学肝胆膵外科学教室および病理部の協力で免疫染色および免疫染色陽性比率の定量評価(キーエンス社製顕微鏡および解析ソフトを用いる)が進んでいる。病理評価に関しては引き続き解析を進める見込みが立っている。画像検査のテクスチャ解析は視覚的評価に加え、解析ソフト(MATLAB:Mathworks社)の導入のめども立っており、導入後にはまとめて解析を行うことが可能であることが見込まれ、導入後には機械的なテクスチャ解析パラメーター、視覚的解析パラメーターと病理学的な腫瘍内間質量の相関、予後を含めた臨床情報との相関に関して解析を進める目処が立っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度に関しては令和5年度までに症例集積、データベース化された症例の解析が中心となる。まず画像評価に関しては視覚的解析パラメーターの修正および解析を進め、腫瘍サイズや性状に加え、造影パターンやMRIの各種シークエンスごとの信号に加え、造影パターンをヘマトクリット値で修正した腫瘍内線維化成分の推定(ECV)を新たに導入して解析を進めるとともにMATLABシステムの導入により、腫瘍内のテクスチャ解析を進める予定である。また令和5年度に引き続き、病理標本の免疫染色、デジタルデータ化に加え、キーエンス社製顕微鏡および解析ソフトを用いたCAF量の定量化を進める。この手法に関してはすでに令和5年までに確立しており、引き続き解析を進めることで病理パラメーターに関しては解析を完遂できる見込みである。また予後に関しては生存データに関してはカルテ情報より集積可能であるが再発形式(局所再発、遠隔転移再発)の確定と再発時期(術後6ヶ月以内、12ヶ月以内、24ヶ月以内、それ以降)の確定のために再発が確認された画像データの集積と再評価を行い、確定を行う予定をしている。これらの各種パラメーターが出揃った時点で画像パラメーターと病理パラメーター、臨床的予後データの比較解析を行い、術後早期再発や予後不良因子を推定可能な画像バイオマーカーを検索する予定をしている。
|