Project/Area Number |
20K08152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Rakuno Gakuen University (2022-2023) Hokkaido University (2020-2021) |
Principal Investigator |
山田 雅文 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (70435981)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 遺伝性葉酸吸収不全症 / 遺伝子解析 / 機能解析 / 新規症例の診断 / 全国調査 / 適応拡大 / 治療法 / 早期診断 / 治療 / 予後の改善 |
Outline of Research at the Start |
HFMにおいては造血細胞移植は無効で、正確な診断に基づき可及的早期にフォリン酸の静注を開始し、永続的に行なう必要がある。また、 急性期を脱した例でも、葉酸の髄液移行障害による脳障害を合併する例が多いが、至適な治療法は確立していない。申請者らは最近報告した4例を含む6例を国内で初めて確定診断した。 全例でみられた親由来の検出困難なスプライス変異は全国に広がっており、未診断例や既に 死亡した例が多く存在することが示唆された。本研究の目的は、HFMの認識を広め、早期診断に基づく早期治療開始による予後の改善と、有効な治療法を検討することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
*国内在住の非日本人HFM疑い患者が有する原因遺伝子SLC46A1バリアントによって、本遺伝子がコードするPCFTが蛋白レベルで発現が欠損し、MTXを用いた葉酸取り込み能も著減していることを今回確認し、HFMの確定診断となった。 *かずさDNA研究所遺伝子検査室での保険診療での原発性免疫不全症のパネル遺伝子解析に、2022年4月からHFMの責任遺伝子SLC46A1も含まれることになっている。昨年度も全国の疑い症例数例の解析依頼があり、結果の評価を行ったが、いずれもHFMを生じるような病的なバリアントは検出されず、臨床像もHFMと異なることからHFMを否定している。 *全国調査:全国に潜在する患者を明らかにするために、HFM疑い症例の調査を主要小児科病院に対して行なった。1例の疑い症例が見つかり、現在遺伝子診断と機能解析を行う方向で調整中であるが、保護者の同意取得に時間を要していると伺っている。 * HFMの家族歴のある新生児期診断HFM2症例:出生後早期からフォリン酸治療を開始し、現在まで経過順調である。症状出現前に治療を開始できた症例は世界的にも極めて稀であり、そのような症例の神経学的な予後を明らかにしていくことは非常に貴重と考えていている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、特に、HFMの急性期、および維持期の葉酸補充法と、生命予後、神経学的な予後について、申請者が把握している国内症例と海外の報告症例を比較検討しているところである。 国内症例では、フォリン酸を大量投与する必要があるため、組織への影響を考え、急性期はフォリン酸の静脈内注射、維持期は静脈内注射と経口投与の組み合わせで行っている症例がほとんどであるが、海外の症例では急性期は筋肉内注射、維持期は筋肉内注射と経口投与の組み合わせで行っている例が大部分を占めている。HFMに対するフォリン酸の静脈内注射に否定的な意見をもっている海外のエキスパートもいるため、特に神経学的な予後に関して静脈内注射が筋肉内注射と比べて遜色がないことや、有害事象が発生していないことを明確にした報告をするための準備に時間を要している。 酪農学園大学に着任後、教育や研究の立ち上げに多くの時間を要したが、科研費使用を延長していただいた今年度は、上記内容を明らかにしたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
国内症例の急性期と維持期の治療法と投与量、血液・髄液葉酸濃度と生命予後・神経学的な予後を海外報告例と詳細に比較、検討し、論文化する予定である。
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