有機銅錯体-循環型キレート剤混合ミセルを用いたMenkes病治療薬の展開
Project/Area Number |
20K08250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宗形 光敏 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30312573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恭弘 帝京大学, 医学部, 助教 (00750241)
鈴木 亮 帝京大学, 薬学部, 教授 (90384784)
児玉 浩子 帝京平成大学, 未登録, 特任教授 (00093386)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Mekenkes病 / macular mouse / 銅錯体 / Menkes病 / Macular mouse / Disulfiram / マクラマウス |
Outline of Research at the Start |
Menkes病は銅トランスポーターATP7Aの遺伝子異常により銅の吸収や脳への送達ができず、致死的な機能不全を来す。有機銅錯体はその脂溶性により細胞膜を通過して銅を体内へ送達するため、Menkes病の治療となる可能性がある。しかし、有機銅錯体は極めて難溶で消化管吸収が悪い。また、Menkes病では大量の銅が体循環に移行出来ずに消化管上皮に蓄積しており、有機銅錯体の経口投与はこの銅負荷を助長するため下痢を誘発する。この点を改善するため、ミセル化により銅錯体の消化管吸収を改善し、さらに銅キレート剤の併用により消化管の過剰な銅を回収し脳に送ることを着想し、病態マウスを用いて検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
Menkes病(Menkes Diesease; MD)は、銅輸送蛋白ATP7Aの遺伝子異常によるX染色体劣性遺伝性疾患である。この病態ではATP7Aの機能低下により消化管上皮から吸収された銅が上皮細胞内に蓄積したまま体内へ移行できない。これにより、MD患者は銅欠乏による重篤な中枢神経障害をきたし、幼児期に死亡する。そこでMD患者の治療薬としてATP7Aを介さずに銅のゴルジ体膜通過を可能にし、脳を含む体内組織へ銅を送達する銅製剤の開発が必要とされている。 これまで我々はMDモデルマウス(macularマウス)を用いた研究から、この難病の治療薬として2種の経口投与可能な化合物、すなわちDisulfiram(以下DSF)とglyoxal-bis(N(4)-methylthiosemicarbazonato)-copper(II)(以下CuGTSM)を見出した。DSFは分子内に銅を含まないが、消化管管腔内や消化管内皮に存在する銅と錯体を形成し、その脂溶性により脳に集積する。しかしDSFは極めて難溶であるため、当初経口投与時の効果は不十分かつ安定しなかった。そこで無害な溶媒を検索し、特定の油脂に良く溶けることがわかった。この油脂にDSFを溶解して経口投与したところ薬効が向上し、macularマウスを安定して生存させることができた。一方で類似の化合物で軸索の形成を抑制するとの報告がなされ、DSFが同様の作用を持たないか新たに検証する必要が生じた。 一方CuGTSMは脂溶性の高い銅の錯体であり、塩化銅の皮下注射をしなくともCuGTSM経口投与のみで一定数のmacularマウスが生存する。その静脈採血により薬物動態を計測すると正常マウスにくらべ分解速度が高く、効率よく脳に到達していない可能性がある。分子内側鎖修飾により分解速度を遅延できる可能性があり、今後の検討課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
macularマウスは長期にわたり継代を繰り返しているため産仔数が少なく、また新型コロナ流行の影響でmacular mouseの飼育コロニーを縮小したため、実験に必要な動物の匹数得られなかった。また、新たに検討しなければ成らない課題が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
macularマウスの飼育スペースを拡張し、外部コロニーから動物を加えることで産仔数を増やす。 検討中の2群の化合物の検討を進めるなかで明らかになった課題を検討する必要がある。すなわち、DSFについては類似化合物で報告されている軸索形成の阻害がDSFを投与したmacularマウスでも生じるか、生じるとすればそれを回避する濃度閾値を設定できるか検証する。 またCuGTSMについてはMenkes病病態下のマウスにおいて肝での代謝速度が亢進している点について、CuGTSMの側鎖を修飾し肝臓での代謝を送らせることで、体循環への移行量、ひいては脳への移行量を増やせるかを検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Pharmacokinetics of CuGTSM, a Novel Drug Candidate, in a Mouse Model of Menkes Disease.2021
Author(s)
Yamagishi Y, Kudo T, Oyumi M, Sakamoto Y, Takahashi K, Akashi T, Kobayashi S, Kawakami T, Goda H, Sato Y, Mimaki M, Kodama H, Munakata M, Makino K, Takahashi H, Fukami T, Ito K.
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Journal Title
Pharm Res.
Volume: 38
Issue: 8
Pages: 1335-1344
DOI
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Peer Reviewed
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