心内膜心筋生検試料のプロテオーム解析手法の確立と応用
Project/Area Number |
20K08485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 真樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (70552024)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | プロテオミクス / 心内膜心筋生検 / FFPE / OCT / LC-MS / 翻訳後修飾解析 |
Outline of Research at the Start |
各種心疾患の治療・診断を目指した研究において、病態ごとに心臓組織の状態を分子レベルで詳細に把握することは非常に重要である。しかし、多くの場合、研究に利用できるヒト組織試料は剖検心や移植に伴う摘出心に制限されるため、病態の進行や回復を反映した時系列情報の取得は難しい。この時系列情報を取得可能な唯一の手段は心内膜心筋生検試料を用いた解析である。極めて微量な残余検体を解析可能な高感度分析システムの構築と、ホルマリン固定された生検試料の解析基盤を構築することで、心内膜生検残余組織のプロテオーム解析手法を確立し、心疾患治療・診断法の開発に資する解析プラットフォームの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
基礎研究に利用可能なヒト心筋生検組織は非常に稀少で、入手は非常に困難である。そこで前年度までに解析手法を確立してきたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織に加えてOCT包埋組織へもプロテオーム解析手法を適用可能とすることで、解析可能な心筋生検組織の入手可能性が高くなることを期待し、本年度はOCT包埋心筋組織を用いて効率よくプロテオーム解析を行う手法の確立を試みた。まず、OCT包埋マウス心筋組織から切り出した薄切切片に対して尿素・グアニジン・PTS法などを用いた通常の前処理手法(PTS法)を適用したところ、新鮮凍結組織の場合と比較してタンパク質の抽出・還元アルキル化・消化の効率が低下することが分かった。OCTコンパウンドは親水性で容易に除去可能と推測されたが、実際にはサイズ排除や逆相カラム等の手法を用いて除去する必要があった。また、薄切切片のように極微量の試料の場合には除去後に固相カラム上でそのまま前処理を完了することで、試料のロスを減らし、新鮮凍結組織と同様のデータを取得可能なことが分かった。本年度中にヒト臨床試料への応用を計画していたが、試料の入手が困難であったため、来年度に実試料が入手可能となり次第、実試料の分析を進める予定である。 また、前年度までに開発したキャピラリーカラムを用いた前処理手法の再現性を向上するため、再現性の高いカラム作製手法の調整を行った。レーザープラーを用いたスプレーカラムの作製条件を1条件に最適化し、nanoLCシステムを用いて等圧負荷をかけてカラムの充填を行うことで、再現性良く分離用、分析用のキャピラリーカラムを作製可能な条件を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度中にヒト臨床試料への応用を計画していたが、試料の入手が困難であったため、来年度に実試料が入手可能となり次第、実試料の分析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
分離・分析に関する前処理手法や必要なツールの作製手法については前年度までにほぼ確立することができた。したがって本年度は、解析条件が整った試料が入手可能となり次第、生検試料の分析を行う。各種心筋症をはじめとした心不全分子病態の解明、リバースリモデリングに関する新しい知見の取得、治療法の創出を目指した解析をすすめる。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)