脂肪組織由来間葉系幹細胞-造血幹細胞における代謝経路解析:抗加齢作用に注目して
Project/Area Number |
20K08721
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
中山 享之 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00456659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 忍 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00342965)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 血液凝固 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 造血支持能力 / Ebf3 / shRNA / ノックダウン / 脂肪細胞分化 / 骨髄造血微小環境 / 間葉系幹細胞 / メタボローム解析 |
Outline of Research at the Start |
我々は、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)がもつ高い造血支持能力を明らかとした。しかしその機序は未解明である。その後の研究により間葉系幹細胞における代謝関連遺伝子の発現と造血支持能力が相関することやADSCのもつ抗加齢作用が判明した。そこで我々は、ADSCは代謝を通じたHSC抗加齢作用により高い造血支持能力を有していると推定した。以上を検証するためADSCとHSCの共培養後にHSCのトランスクリプトーム、メタボロームやDNA metylationの解析を行う。候補が絞り込めたらその経路を同定する。またマウスへのADSC投与によりHSC数やDNAダメージに変化があるか確認する。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)が骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)よりも造血支持において優れていることを見出した。両者における遺伝子発現の差異を解析することによってどの遺伝子が造血に強く関与しているか同定するのは、容易と思われた。しかしながらこれまでの報告によれば、造血に直接作用するSCFやG-CSFといったサイトカインやVCAM-1等の接着因子の発現量は、ADSCとBMSCにおいて、ほぼ同等であった。そこで代謝経路に着目して解析を進めた。これまでの研究では、骨髄nicheと考えられている間葉系幹細胞(CAR細胞と名付けられている)においては転写因子Ebf3が豊富に発現されており骨芽細胞への分化を防ぐことにより造血支持能を維持することが報告されている。そこで、我々は、まずADSCとBMSCを脂肪細胞ならびに骨芽細胞誘導培地にて培養し分化の程度をvon Kossa染色とオイルレッドO染色にて評価した。BMSCは、脂肪細胞と骨芽細胞に分化したが、ADSCにおいては脂肪細胞への分化は認められたが、骨芽細胞にはほとんど分化しなかった。そこでADSC におけるEbf3の発現をsemi quantitative PCRにて確認したところ豊富に発現していた。そこでADSCにおけるEbf3をshRNAにてノックダウンして機能の解析を試みた。しかしながら一過性トランスフェクションによるノックダウンはうまく機能しなかった。そこで、方針転換を行い組織修復を促進する血液凝固作用に関するADSCの作用について解析を行なっている。ADSCは、BMSCよりも強い血液凝固作用を有することを見出した。ヒト血漿-ADSC-造血幹細胞の混合培養系や、抗凝固剤を用いながらマウスへのADSC投与実験を行い、造血支持能力に対する作用を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中央臨床検査部に所属しているが、COVID19の蔓延により以下のような社会的要請があり、それに対応するため研究のエフォートが減少してしまったため。 1. COVID19 PCR検査体制確立等 2. 院内感染予防対策
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Strategy for Future Research Activity |
Ebf3のノックダウンはうまく機能しなかった。そこで、方針転換を行い組織修復を促進する血液凝固作用に関するADSCの作用について解析を行なっている。ADSCは、BMSCよりも強い血液凝固作用を有することを見出した。ヒト血漿-ADSC-造血幹細胞の混合培養系や、抗凝固剤を用いながらマウスへのADSC投与実験を行い、造血支持能力に対する作用を解析する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)